脳卒中になったら

はじめに

脳卒中患者は年間29万人にも及び、近年の生活習慣や食文化とは切り離せない病気と言えるでしょう。
この疾患、
「脳卒中になったらどうなるの…?」
そんな疑問を持つ方が多いようです。
この疑問解消の為、今回は脳卒中になった際に患者様に起きる症状や、病院までの受診など具体的な流れを見ていきましょう。

脳卒中の症例について見てみる

具体的な脳卒中(脳梗塞)の症例報告をなぞり、時系列を追うことで「その時患者に何が起きたのか?」という事を見ていきましょう。医療従事者である筆者が途中で解説を入れておりますので一緒に症例を追っていきましょう。具体例を見る事で、自身や身近な人に似たようなケースを見た際の参考になれば幸いです。

その時に患者様に起きた事…

では早速、今回の患者様の身に実際に起きた事象を以下にまとめましょう。


某日
40歳の男性は、健康診断で「心房細胞」を指摘される。
しかし「仕事もあるし、症状的に大丈夫だろう」と治療せずに放置。

某日17時
20年後、64歳になった男性。
彼は仕事中にお茶を飲もうとしたが、その際に左口の端からお茶がこぼれてしまった事を自覚した。
「あれ?」とは思いつつも、仕事を終え車で家に帰宅しようとする。

同日18時
しかし異常は確かに現れており、車の運転中に手が上手く動かずハンドル操作を誤る。
幸いな事に軽い接触事故で住み、何とか自宅へ帰宅する事が出来た。

同日19時
異常は顕著となる。帰宅した男性だが歩行時に左に傾いており、呂律も回っておらず家族に指摘される。

同日20時
家族に連れられ病院を受診。
MRIの検査を行い、右脳の大きな脳血管が詰まっている事が発覚。
結果「心原性脳塞栓症」という脳卒中の病気の診断を受けることとなりました。

※臨床神経学雑誌第48巻第9号「階段状に進行した心原性脳塞栓症の 2 例」参照

いかがだったでしょうか?
男性に起きた心原性脳梗塞という脳卒中の病気、具体的にこのような事が患者様の身には起こります。
今回の気になる点を医療従事者である筆者がまとめると以下のようになります。
男性 64歳
40歳時に「心房細胞」の指摘をされる
口や四肢の左片麻痺、呂律が回らない構音障害
以上の点を次項から解説していきましょう。

脳卒中になった患者

参考症例では
「男性 64歳」
という患者様についてのエピソードになります。
これだけでは脳卒中とのつながりはいまいちピンときませんが、統計データと照らし合わせると見えてくるものがあります。
「脳卒中患者の全体の7割以上が65歳以上の高齢者」というデータが出ています。
また脳卒中の性差を見ると、脳卒中症例の6割が男性となっています。
この数字を見るとこの患者様は「脳卒中を起こす年齢に近づいた、しかも男性」であるという事がわかります。
それを踏まえて次の既往歴について見ていきましょう。

脳卒中になる前の「既往歴」

患者様が今までどんな病気を患ったか?それを「既往歴」と呼びます。
「今まで何か大きな病気をされた事ありますか?」この文句を聞いたことは無いでしょうか?
この台詞は医師が問診を行う際に、患者の既往歴を探っている訳ですね。
今回の患者様の既往歴は
「40歳時に心房細動を指摘されたが特に治療はしていなかった」
となっております。
この心房細動とは不整脈の一種で、心臓の動きに問題がある病気です。
心臓の不正な動きが血の塊「血栓」をつくってしまい、血栓が血流にのり脳血管を詰まらせる「心原性脳梗塞」を引き起こしたわけですね。

脳卒中の症状「主訴」

モデル患者の主訴は
「左片麻痺、構音障害」
となっています。
脳卒中を起こすと、脳血管の障害を起こした場所によって運動障害や言語障害を起こします。
今回の症例では右脳の血流が途絶え、右脳の運動野、言語野が障害を受けました。
右脳の障害は左半身に現れるので、「左口からお茶がこぼれ、体が左に傾く」こういった症状が起きたと言えるでしょう。

まとめ

解説のようにこの男性患者様には脳卒中を起こした背景や症状が確かに出ていました。
一歩間違えれば、車で大きな事故を起こし亡くなっていたかもしれません。
もしくは家族がいなければ発覚が遅れ重症化していたかもしれません。
この男性の幸いなところは、家族がしっかりと指摘、病院へ連れていってもらえたことでしょう。

最後になりますが、身近な人にもしこのような症状が現れたら是非病院受診をすすめてあげてください。
その方の今後を左右するかもしれません。

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