脳梗塞の後遺症

はじめに

「脳梗塞を発症した場合元の生活に戻れるか?」という質問を受ける事があります。
しかし残念ながら全ての生活をもとに戻す、というのは非常に困難と言えるでしょう。

傷ついた脳組織の回復には再生医療による治療が研究されています。
臨床の場にも取り入れられつつありますが、技術が確立され多くの脳梗塞患者が治療される日々はまだ先と言えるでしょう。現状は失われた脳組織の機能を他の組織が補う機能回復、リハビリをして脳梗塞患者は後遺症と戦わなければなりません。
「脳梗塞は治療より予防」
生活習慣を改善し、脳梗塞の予防に努めましょう。

脳梗塞の後遺症とは?

では脳梗塞の後遺症にはどんな症状があるのでしょうか?

後遺症の分類は、
脳性麻痺
言語障害
認知障害
この3種類となります。
では1項目ずつご説明いたしましょう。

脳性麻痺

まず大きな問題になる脳性麻痺について見ていきましょう。
脳性麻痺は重度の脳障害を起こしている患者にみられる症状です。

運動を担う脳神経組織が虚血や圧排により障害を受けた場合、神経の場所に応じ身体に麻痺が生じます。
姿勢保持が出来ず身体が傾き、手足を細かく動かすことが出来ず装具の着用が必要になるのが運動障害です。
顔面にも神経は通っているので、顔の表所が崩れ、食べ物を飲み込む嚥下機能の低下も引き起こす事があります。

痛みや熱・冷感に鈍くなる感覚障害や、目の見え方が変わりめまいを感じるなど視覚障害の影響も無視する事が出来ません。痛覚は大事な感覚です。この感覚器官が働いていない為ケガをしても痛みを感じず、気づいたら転倒して骨折をしていたなどという事例もあります。

このように様々な面で日常生活に支障をきたすでしょう。

言語障害

脳梗塞の後遺症として、言語障害が起きる事があります。
言語野の障害によって理解は出来るが言葉が発せない「失語」を生じ、さらに症状が重たくなればそもそも言葉の理解が困難になり文字の認識理解が出来なくなってしまう事もあります。

重度の言語障害を引き起こすとコミュニケーションが取れなくなるので、日常生活はもちろん仕事を続ける事も出来なくなるでしょう。
様々なエンターテインメントの理解も出来なくなってしまうので日々の楽しみも奪われてしまいます。

認知障害

脳組織で感情や理性を制御する「大脳辺縁系」が損傷を受けると、性格やモノの考え方自体が変わり、感情を抑えられなくなるといった症状が現れることがあります。
この症状を認知障害と呼びます。
もともとは穏やかな方がガラッと性格が変わってしまった、というなどという症例を目にすることもあります。

認知症と似ておりますが、認知症は脳の萎縮や不安や悲しみから起きる混乱等様々な要因から引き起こされますので同また異なった理由と言えるでしょう。

認知障害を引き起こしてしまうと、一緒に生活しているご家族のとまどいは大きくショックを受け悲しむ事になってしまいます。

おわりに

脳梗塞を発症し、治療が遅れてしまった場合は重度の脳梗塞が残ってしまうことがあります。
こうなってしまうと現医療技術では元の生活を取り戻すことは困難です。

軽度であれば脳梗塞の障害を克服して社会復帰し、もとの日常生活を取り戻すことは可能かもしれません。
しかし再発しないように生活習慣に気を付けて薬を飲むなど、多少の不自由さを強いられます。

今回のご紹介で後遺症についての恐ろしさを少しだけでもご理解していただけたのではないかと思います。
脳梗塞の後遺症におびえる事のないよう、今日からちょっとした脳梗塞予防に取り組んでみてはいかがでしょうか?

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