脳梗塞の看護

はじめに

脳卒中患者を治療するのが医師であれば、筆者のような放射線技師は検査時に必要となります。
しかし患者と最も一番接する時間が長く、必要不可欠とされるのは「看護師」と言えるでしょう。
看護師はどのように

看護時にチェックすべき脳梗塞の所見

特に恐ろしいのが脳梗塞や脳出血時に、「脳幹」という呼吸中枢などの生命維持に関わる部位が障害を受ける事です。この際に脳幹の一部である中脳が障害を受けると異常な筋硬直を起こして腕を回内、足伸展させ内旋させる症状を引き起こします。

常日頃から行うバイタルチェックや、脳梗塞の症状にもあるような失語、麻痺、構音障害などなどの症状とあわせて上記した筋硬直については覚えておく必要があるでしょう。
もしご家族の方でそういった症状が現れたら一刻も早く病院で適切な治療を受けなければ死に至ります。
症状を確認次第、速やかに救急車を呼びましょう。

脳卒中ケアユニット(SCU)とは?

医療施設を受診された際に案内板見る事が誰しも1度はあるでしょう。
その中に「SCU」の単語を見たことはないでしょうか?
筆者が勤務する施設にも存在し、日々脳卒中患者が運び込まれています。
脳卒中患者の病態が安定するまで過ごす看護の部屋、それが「SCU」です。
脳梗塞を含む脳卒中患者を救命管理するSCUは脳卒中患者の受け入れに必要不可欠といえるでしょう。
「じゃあなぜSCUが無い施設があるの?」と疑問に思われるかもしれません。
理由はガイドラインを満たす一定の施設基準を満たしていないと、SCUの部屋を持つことは出来ないからです
SCUを持っている施設は脳卒中患者の受け入れ態勢が出来ていると認定を受け、医療加算を受けています。
具体的な施設基準は以下のようになります

(1)病院の治療室を単位として行う
(2)病床数は,30床以下
(3)この医療管理を行うにつき必要な医師を常時配置
 (神経内科または脳神経外科の経験を5年以上有する専任の医師が常時1名以上)
(4)看護師の数は,常時,入院患者数3に対して1以上
(5)常勤の理学療法士または作業療法士を1名以上配置
(6)脳梗塞,脳出血,くも膜下出血の患者を概ね8割以上入院させる
(7)この医療管理を行うにつき十分な専用施設を有す(脳画像診断が常時行える体制など)
(8)この医療管理を行うにつき必要な器械・器具を有す
 (救急蘇生装置,除細動器,心電計,呼吸循環監視装置など)

上記の基準を満たすのは困難であり、2016年次の調査ではSCU加算をとれている施設はまだ日本に120施設しかないようです。特に専任の医師が常駐する設備の整なった病院となるとある程度の規模でないとそもそも検査装置や治療室が無いのでSCUを持つことは出来ないという事です。

SCUのメリット

ではSCUの部屋がある事により看護の観点でどうメリットがあるのでしょうか?
施設基準で入院患者3に対して1以上という数字は、看護師をどこも欲しがるこのご時世ではかなり手厚い看護と言えるでしょう。
ガイドラインに表記がありますが、SCUに入院した患者はそうでない施設に入院した場合より死亡率や入院期間の減少が報告されています。
医師に診療科があるように看護師にも脳卒中のスペシャリストはいます。
そういった看護師はSCUで勤務し、その体制の下で看護、治療を受ける事で脳梗塞患者の生存率を高めているのでしょう。

おわりに

脳梗塞を発症し入院した患者様にとって高い医療技術や最新の医療器具・装置があるのは勿論大切なことでしょう。しかしそれと同等なくらい、脳梗塞患者への気配りチェックなどの看護は重要な項目となっていると言えます。入院が必要な際は、施設の口コミや評価があまりに低いような施設は避けた方が無難と言えるでしょう。

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