脳梗塞の原因はさまざまで、いくつかの要因が重なったときに発症します。
万病のもとであるストレスは、脳梗塞の原因のひとつであることが明らかとなっています。
心の不調が体に影響することは、皆さんご存知のとおりです。
心に負担がかかり、ストレスを慢性的に感じていると、いつか脳梗塞になってしまうかもしれません。
ここでは、ストレスが体に及ぼす影響、どのようにして脳梗塞の原因となるのか、ストレスがたまっているサインやNGなストレス解消方法について、解説していきます。
ストレスが体に及ぼす影響とは?
ストレスと一言にいっても、人によって感じ方はさまざまです。
・職場での人間関係や労働環境
・結婚や出産など大きなライフイベント
・受験やスピーチを目前に控えたとき
・お金の問題 など
プレッシャーや不安を感じたとき、人の体には何が起きているのでしょうか?
ストレスを受けると、脳の深部にある視床下部が反応して、下垂体や副腎からホルモン分泌が促進されることで心拍数が増加し、血圧が上がるなどの変化が起きると説明されています。
緊張したときにドキドキするのは、よく経験しますよね。
そのときに血圧を測れば、きっといつもよりも高い数値となっているはずです。
通常であればそうした反応は一時的なもので、時間が経てば元どおりになりますが、問題になるのは慢性的にストレスがかかっているときです。
日常的に緊張状態にあると、血管に負担がかかり、動脈硬化の原因となるばかりか、糖尿病にも影響する可能性が高いです。
最近では、ストレスが脳に及ぼす影響に注目が集まっています。
人の脳は、大脳の一部である「前頭前野」という部分が大きく発達しており、高度な機能(感情や衝動の抑制、知的機能など)を持っています。
ストレスがかかると、この前頭前野の働きが弱まるというのです。
詳細な機序は不明な点も多いのですが、ストレスがかかったときに分泌される、ノルアドレナリンやドーパミンといった物質が関係していると考えられています。
ストレスを感じている状態では、やる気がなくなり、作業がうまく進まないということを経験しますよね。
このように、ストレスは体全体、そして脳に大きな影響を及ぼす可能性があるのです。
ストレスは脳梗塞の原因になる
ストレスと脳梗塞の関係は、いくつかの観点から想定することができます。
まずストレスは、慢性的な血圧上昇や血糖値上昇が原因で、高血圧や動脈硬化、糖尿病の原因です。
血管の機能が低下し、血流が阻害されたり、血栓が形成されたりする原因となるため、脳梗塞を発症しやすくなります。
加えて、ストレスによる問題行動も、関係している可能性が高いです。
ストレスを感じると、行動をコントロールする前頭前野の働きが弱まるため、自分の欲望や衝動を抑えることが難しくなります。
その結果、アルコール多飲や喫煙、暴飲暴食などの問題行動につながりやすくなるのです。
これらの問題行動が続くと、当然体の不調をきたします。
問題行動の後には、後悔や自己肯定感の低下を感じることで、それがまた新たなストレスになってしまうという悪循環が待っています。
ストレスは自覚しづらい場合があるのが、難しいところです。
次に紹介するような、ストレスがたまっているサインに注意しましょう。
こんな症状に要注意!ストレスがたまっているサインとは?
ストレスがたまっているサインは、人によって出方が違いますが、代表的な症状をご紹介します。
・疲れやすい
・だるさを感じる
・やる気が出ない
・夜になってもうまく寝付くことができず、やっと寝ても早い時間に起きてしまい、熟眠感が得られない
・目の疲れやめまいを感じる
・体の節々に痛みを感じる
・動悸、下痢、食欲不振 など
はっきりとした原因がないのに、以上のような症状を感じている方は、一度ご自身の生活状況を見直し、ストレスがかかっている可能性について、考えてみるといいかもしれません。
こんな方法はやめましょう!NGなストレス解消方法
生きている以上、ある程度ストレスを感じるのは仕方がありません。
うまく息抜きをしながら、ストレスをコントロールしたいものです。
ストレスを解消する方法は、自分にあった方法を見つけるのが一番ですが、次のような方法は避けたほうがよいでしょう。
アルコール多飲、喫煙
ストレスをコントロールするのに、嗜好品を楽しむという方法が考えられます。
お酒も適量であれば、血流が改善し、体に良い効果があることが分かっています。
しかし、量が多くなると体に負担がかかり、睡眠にも悪影響が出る可能性が高いです。
喫煙に関しては、良い点はひとつもありません。
暴食
大好きなものをお腹いっぱい食べることで、満足感や幸福感を感じることができますよね。
ただし、食事は胃や腸など消化器に負担をかけ、カロリーが多くなりすぎると、生活習慣病の原因となります。
そのため、度が過ぎないようにするのが重要です。
ショッピング、ギャンブルなど
ショッピングやギャンブルなどは、お金を使うことや勝負をすることで、高揚感を感じることができます。
この高揚感は、一度味わうと慣れてしまい、どんどん強い刺激を求めるようになります。
深刻化すると、依存症になってしまうおそれもあるため、避けたほうがよい方法のひとつといえるでしょう。
昼まで寝ている
休みの日に遅い時間まで寝ていると、睡眠のリズムを崩してしまいます。
日頃の生活習慣を維持しながら、体と心を休めるようにしましょう。
まとめ
脳梗塞の原因になりえるストレスについて、体に及ぼす影響を中心に解説しました。
冷静に考えることができれば、適切な行動を起こすことができます。
自分が自分をコントロールできているかどうか、まずは日頃の行動を見直してみましょう。
問題があるとすれば、あなた自身ではなく、あなたが置かれている環境に原因があるのかもしれません。