脳卒中になりやすい人とは?

脳卒中になってしまう人は、多くの場合はっきりした原因があります。

本人の努力ではどうしようもない、防ぎようのない原因であることもあれば、これさえ守っていれば…と後悔するような、簡単なものであることも少なくありません。

脳卒中になりやすい人とは、どんな人でしょうか?

ここでは、脳卒中になりやすい原因について、以下の3段階に分けて考えてみます。

・防ぎようのないもの
・ある程度仕方がないが、治療をしっかり受けていれば防げるかもしれないもの
・本人の努力で防げるもの

※多少の個人的見解を含むため、参考程度にご覧いただければ幸いです。

目次

防ぎようのない、先天的要因

脳出血やくも膜下出血の原因となる「もやもや病」や「脳動静脈奇形」という病気があります。

原因は不明で、生まれつき持っている血管の異常です。

もやもや病は子どものうちに症状がでることもありますが、一時的な症状で済んでしまい、病院を受診せずに、診断がつかないことも多くあります。

これらは、本人の努力ではどうしようもない、防ぎようのない原因といえます。

たまたま頭をぶつけたりして頭の精密検査を受けた、早い時期に偶然脳ドックの検査を受ける機会があった、などがあれば、幸運にも発見される可能性があります。

しっかり治療しよう!脳卒中になりやすい疾患や性格

脳卒中の原因となる疾患にも、以下のようなある程度やむをえないものがあります。

・原因がはっきりと分かっていない疾患
・偶然に発症することが多い疾患 など

疾患の発症を防ぐことは難しくても、治療を受けることで、脳卒中の発症を抑えることができるかもしれません。

また、本人の性格も、ある程度やむをえない要因のひとつです。

今さら性格を直せと言われても困る!という方も、必要な治療を受けることで、脳卒中の予防につなげましょう。

血栓のできやすい疾患

脳梗塞は、脳の血管が詰まってしまうことで、血流が足りなくなる病気です。

血管が詰まってしまう原因のひとつが、血のかたまりである血栓です。

血栓ができやすい代表的な疾患は、不整脈の一種である「心房細動」です。

心臓が不規則に震えてしまうために、血のかたまりができやすくなってしまいます。

心房細動は生活習慣が原因となることもありますが、その発症は防ぎようのないものである場合が少なくありません。

年齢に伴って発症する場合もあります。

以下の方は、病院を受診するようにしましょう。

・最近動悸を感じている
・心電図の検査で異常を指摘された など

血液がかたまりづらくなる薬を飲むことで、脳梗塞の発症を予防できる可能性があります。

他にも「抗リン脂質抗体症候群」と呼ばれる疾患や、膠原病の一部などは、血栓ができやすい疾患のひとつです。

若くして脳卒中を発症する原因になりますので、しっかりと治療を継続する必要があります。

脳卒中になりやすい性格!?

脳卒中になりやすい性格として、以下のような、いわゆる「A型性格」が指摘されることがあります。

・ゆっくり休むことができない
・完璧主義者
・攻撃的、起こりっぽい

このような性格の方は、ストレスを受けやすく、緊張状態が続くために高血圧や高脂血症、喫煙といった状態につながりやすく、脳卒中になりやすいと考えられるのです。

※A型性格は、血液型とは無関係です。

active(活動的)、aggressive(攻撃的)、ambitious(野心的)といった、行動様式を指します。

ただし、A型性格は欠点ではありません。

会社では、仕事が良くできる人として認められていることが多いのです。

性格を無理矢理変えようとすることは、かえってストレスになってしまうかもしれません。

大事なことは、高血圧や高脂血症といった病的な状態を自覚し、しっかりと治療を受けることです。

脳卒中の予防は生活習慣から

脳卒中の最大の要因。

それは「生活習慣病」です。

食べ物

味付けの濃いもの、脂肪分の多いものは、生活習慣病の原因となります。

野菜をとりいれた、バランスのいいメニューが理想です。

運動不足

適度な運動は、ストレス解消、血圧管理、肥満の解消に役立ちます。

テレワーク生活は、より一層の注意が必要です。

お酒

適切な1日の飲酒量は、以下のとおりです。

日本酒:1合
ビール:中瓶1本
ワイン:グラス2杯
ウイスキー:ダブルで1杯

タバコ

1日2箱吸う人は、吸わない人に比べて4倍も、脳卒中になりやすいといわれています。

聞き慣れたことかもしれませんが、今一度ご自身の生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか?

まとめ

脳卒中の怖さは、頭では分かっていても、実感は掴みづらいものです。

脳卒中になりやすい原因の多くは、自分次第で乗り越えることができます。

毎日の積み重ねが、必ず身体に返ってきます。

「まだ大丈夫だろう」「明日からやろう」という考えは今すぐ捨てて、すぐに行動に移しましょう!

この記事を書いた人

脳梗塞・脳出血などの脳血管障害は、65歳以上が要介護の状態になる原因の1位(厚生労働省調べ)であり、脳卒中患者のQOL向上の一助となることを目指し、基礎知識・予防・リハビリ情報をお届けするWEBマガジンです。

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