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脳梗塞の知識

by脳梗塞MZ編集部 脳梗塞MZ編集部

血圧を下げすぎてはいけない!?脳梗塞の血圧管理

血圧を下げすぎてはいけない!?脳梗塞の血圧管理

脳梗塞は血管、血流の病気ですから、血圧とは密接な関係があります。

 

慢性的な高血圧は動脈硬化や血管が狭窄する原因となり、脳梗塞の最大のリスクです。

 

一方で、脳梗塞を発症した時に急に血圧を下げてしまうと、病状を悪化させる可能性があることも知られています。

 

脳梗塞の発症を予防し、症状を悪化させないために、脳梗塞と血圧の関係について学んでいきましょう。

 

脳梗塞・急性期の血圧管理

脳梗塞・急性期の血圧管理

 

血圧は高いと良くない、というイメージがあると思います。

 

脳梗塞の急性期には、発症に伴うストレスや頭痛、頭蓋内圧亢進などの影響で血圧が急に上昇することが少なくありません。

 

急いで血圧を下げなければ、と考えるかもしれませんが、脳梗塞の急性期には血圧を下げすぎてはいけないことが知られています。

 

脳卒中治療ガイドライン2015では、

「脳梗塞急性期には収縮期血圧>220mmHgまたは拡張期血圧>120mmHgの高血圧が持続する場合や、大動脈解離・急性心筋梗塞・心不全・腎不全などを合併している場合に限り、慎重な降圧療法を行っても良い」

 

高血圧治療ガイドライン2014では、

「収縮期血圧220mmHg、拡張期血圧120mmHgを超える場合に前値の85-90%を目標に降圧する」

 

とされています。

 

高血圧が脳以外の場所に重大な悪影響を及ぼすと考えられる場合に限り、血圧を下げてもよい、ただし血圧の上の値が220であっても、下げるのは170-180程度までです。

 

通常の血圧管理と比較して、高い値が設定されていることが分かります。

 

脳梗塞急性期に血圧を高めに保つ理由

脳梗塞急性期に血圧を高めに保つ理由、それは脳の血流が減少している状態であるため、血圧を下げることで脳のダメージが悪化する可能性があるからです。

 

また、脳梗塞の患者さんは脳や頚部の血管に狭窄や閉塞を起こしていることも多く、血圧を下げることで新たな脳梗塞を起こしてしまう危険性すらあります。

 

多くの場合、安静にして痛みをコントロールし、脳浮腫の治療(利尿薬など)によって血圧は自然に低下してきます。

 

血栓溶解療法を行う場合は降圧してもよい

血栓溶解療法や、血栓回収療法など血管内治療を行う場合は、ある程度血圧を下げる治療を行うことがあります。

 

ガイドラインでも、「収縮期血圧185mmHg以上または拡張期血圧110mmHg以上の場合に、静脈投与による降圧療法を行うこと、(血栓)治療中や治療後を含む24時間以内は、厳格な血圧管理により収縮期180mmHgかつ拡張期105mmHg未満にコントロールする」と記載されています。

 

これは、血栓溶解や回収により血流が再開した時に、血圧があまりに高いと脳出血や細胞の浮腫の原因になるためです。

 

ただし虚血状態にあることは変わらないので、慎重に血圧を下げる治療を行います。

 

脳梗塞回復期、慢性期の血圧管理

脳梗塞回復期、慢性期の血圧管理

 

脳梗塞の急性期に血圧を下げすぎてはいけないことが分かりましたが、高血圧を放置していいわけもありません。

 

いつ頃から治療を開始するのか、ガイドラインでは脳梗塞の超急性期(発症24時間以内)、急性期(2週間以内)、亜急性期(発症してから3-4週)、慢性期(発症1ヶ月以降)に分けてその目標血圧を設定しています。

 

急性期までは前述の通りで、亜急性期では頚動脈や脳主幹動脈に50%以上の狭窄のない患者さんでは徐々に降圧(85-90%、収縮期160mmHg程度)を行い、慢性期では収縮期140mmHg、拡張期90mmHgを目標に降圧を行うとされています。

 

発症後は高血圧の治療を行い、徐々に目標血圧を下げて慢性期には通常の水準で血圧管理を行うということがわかりますね。

 

急激に血圧を下げると、脳に悪影響が起きる可能性があるだけでなく、それまで長期間高血圧に慣れた他臓器に障害を起こすこともあります。

 

慎重な血圧管理が重要です。

 

脳梗塞の血圧管理は、家庭血圧、24時間血圧が重要

脳梗塞の血圧管理は、家庭血圧、24時間血圧が重要

 

高血圧の治療を現在受けている方は分かると思いますが、病院で血圧を測るだけでなく、自宅で決まった時間に血圧を測り記録する(血圧手帳)ことを勧めることがあります。

 

これは、血圧は一日の中でも変動が大きく、測る時間帯や状況によって値が大きく異なるためです。

 

病院で測ると血圧が高いが、自宅で測るとそうでもないという方を指して、白衣高血圧という言葉があります。

 

白衣(医師)を見ると緊張して血圧が高くなってしまう現象です。

 

一方で診察室では血圧は問題ないのに、家庭や職場では高くなってしまう方がいます。

 

これが仮面高血圧です。

 

家庭や職場でのストレスが原因の一つと考えられています。

 

白衣高血圧や仮面高血圧のように、いつも血圧が高い(持続性高血圧)わけではなく、場面によって血圧が高くなってしまう方を調査したところ、持続性高血圧の方よりもむしろ死亡率が高かったという報告も多いです。

 

病院で血圧を確認しているから、家でいつも問題ない数値だからと安心していると実は危険が隠れているかもしれません。

 

こまめな血圧測定を行い、自分の24時間血圧を把握することが重要です。

 

まとめ

まとめ

 

脳梗塞の急性期から慢性期までの血圧管理について解説しました。

 

正しい知識を持って治療に臨むことが、モチベーションの維持につながります。

 

適切な血圧管理で、脳梗塞に立ち向かっていきましょう。

 

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脳梗塞MZ編集部

脳梗塞MZ編集部

この記事を監修した人

脳梗塞・脳出血などの脳血管障害は、65歳以上が要介護の状態になる原因の1位(厚生労働省調べ)であり、脳卒中患者のQOL向上の一助となることを目指し、基礎知識・予防・リハビリ情報をお届けするWEBマガジンです。

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