【脳梗塞のお金事情】脳梗塞になると保険金はいくら?

誰しも病気にはなりたくないものですが、生きていれば誰でも病気になる可能性があります。

脳梗塞は元気に生活している人でも、ある日突然かかるもの。

発症してから準備する余裕はありません。

病気の治療に必要なものは、療養する環境や心構えなど、さまざまなものがありますが、やはり欠かせないのはお金。

お金がなくて必要な治療を受けられない、という事態は避けたいですよね。

備えあれば憂いなし、ここでは脳梗塞と保険金について解説していきます。

目次

脳梗塞でかかるお金

脳梗塞になってしまった時にかかるお金はいくらくらい?

病気になるとお金がどれくらいかかるか、具体的に考えたことはありますか?

風邪や軽いけがなどで病院を受診したときには、高くても数千円~一万円くらいですよね。

では、脳梗塞で入院すると?

お金のことは、なかなか人から聞く機会もなく、経験がないとイメージがつきにくいもの。

脳梗塞の治療は、発症早期はさまざまな画像検査や、場合によっては血管内治療などお金のかかる手術治療を受けることもあります。

治療が終わってすぐに退院できるケースはまれで、長期間に及ぶリハビリテーションが必要なことも多く、治療費は高額になります。

アクサ生命保険株式会社ホームページで紹介されているモデルケースによると、重度の脳梗塞で集中治療室に緊急入院、経皮的ステント留置術を受け、91日間入院した場合の医療費は、合計で約450万円に及ぶそうです。

かなりの高額ですよね。

毎年多数の方が脳梗塞を発症していますが、皆さんがこの金額を払えるわけでは、もちろんありません。

このように高額に及ぶ医療に対しては「高額療養費制度」という制度が適用されるため、自己負担額は大きく軽減されます。

補助される金額は年収や年齢によって異なりますが、このケースでは「公的医療保険の被保険者で70歳未満・年収約370万円〜約770万円の方」と設定されており、その場合の自己負担額は、約40万円となります。

公的な補助制度が充実している日本に住んでいて良かった…とお思いになるでしょうか?

医療費を払えれば大丈夫?収入保障について

医療費を払えれば大丈夫?収入保障も必要

「脳梗塞になったときにかかるお金」というとまず医療費を思い浮かべますが、医療費を払うことができればそれで大丈夫なのでしょうか?

貯蓄に余裕がある方や、養ってもらっている方であれば問題ありません。

しかし、日々自分の稼ぎで生活していたという方の場合、仕事ができなくなり、収入がなくなるという点に注意が必要です。

場合によっては数ヶ月に及ぶ入院期間中に、仕事ができない上、退院後もすぐに復職できるとは限りません。

仕事の収入がない間の保障が必要です。

会社員などの方であれば、急な病気やケガで休職せざるをえない状況になった場合、収入を保障するための傷病手当という制度があります。

これは、一定の要件を満たせば元の収入の2/3を保障してくれる制度で、最長で通算1年6ヶ月の間受け取ることができます。

ただし、自営業の方は対象とならないこと、会社員の方でも受け取れる期間に限度があることに注意が必要です。

脳梗塞になってしまったとき役立つ保険

脳梗塞になってしまった時に役立つ保険

以上のような公的補助を利用しても、日常の生活を送ることが難しいと考えられる場合には、民間の保険をはじめとした、事前の準備が必要です。

自営業の方や、あまり貯蓄や家族としての収入に余裕がない方などは、検討しても良いかもしれません。

生命保険

生命保険は、基本的には死亡してしまった場合や重篤な病状になった場合などに、保険金を受け取れる商品です。

しかし、脳梗塞を含む三大疾病(がん、心筋梗塞、脳卒中)を対象とした「三大疾病保険」が各保険会社で準備されています。

死亡したときの保障をする商品では、亡くなったあとにしかお金を受け取ることはできませんが、三大疾病保険の多くは生前に支給されることが多いため、治療費や生活費などに転用することもできます。

保険のタイプはさまざまで、年齢や保険会社により受け取れる金額は大きな幅があります。

例えば、40歳代であれば月数千円程度の保険料で、三大疾病にかかると200〜300万円程度の保険金を受け取ることができるという商品などがあります。

ただし、脳卒中では保険金が支給されるのは「所定の状態に該当した場合」などの注意書きがあり、多くは「言語障害など他覚的神経障害が続く場合」といった条件が定められています。

医療保険

医療保険は、入院や通院に関わる医療費を保障してくれる商品で、病院での診断をもとに保険金が支給される商品です。

三大疾病を対象としている商品も数多くあります。

例えば、月数千円の保険料で、三大疾病であれば、一時金50〜100万円+入院の場合5千〜1万円/日支給されるなどの商品があります。

収入保障保険

収入保障保険は、働けない状況になったときに収入を補助してくれる商品で、給料と同じように月定額で支給される商品などがあります。

三大疾病を対象にしているものもあり、所定の条件に該当すれば以後の保険料が免除になるものもあります。

例えば、月5千~2万円程度の保険料で月15〜20万円支給される商品などがあります。

民間の保険には非常に多くの種類があり、保険金の額や支給される条件などさまざまです。

「脳梗塞になった=支給される」というわけではなく、一定の後遺症が残るなど、条件が絞られるという注意点があります。

自分にあった保険を選択するためには、十分な検討が必要です。

まとめ

脳梗塞になってしまった場合のお金の問題について解説しました。

病気にはならないのが一番ですが、万が一なってしまった場合のことも考えておいたほうが良いかもしれませんね。

この記事を書いた人

脳梗塞・脳出血などの脳血管障害は、65歳以上が要介護の状態になる原因の1位(厚生労働省調べ)であり、脳卒中患者のQOL向上の一助となることを目指し、基礎知識・予防・リハビリ情報をお届けするWEBマガジンです。

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