【くも膜下出血の原因】ストレスとの関係は?

くも膜下出血の原因はストレスだという説が囁かれることがあります。

それは本当なのでしょうか?

結論から言うと、この説は合っているとも、違うともいえます。

少なくとも、くも膜下出血とストレスは無関係ではありません。

今回は、そんな「くも膜下出血とストレスの関係」について解説します。

目次

くも膜下出血とは

くも膜下出血は、脳の血管が破れ、くも膜下腔という部分に血液が流れ込む病気です。

発症した場合、基本的には手術を受けることになります。

命に関わることも多く、後遺症が残る可能性も高い病気のため、予防・早期発見・早期受診が大切です。

くも膜下出血の原因

くも膜下出血の原因として、最も多いのは「脳動脈瘤」です。

その他には、脳動静脈奇形なども原因として挙げられます。

また、脳出血・もやもや病・脳腫瘍・事故などの外傷によっても、くも膜下出血が引き起こされることもあります。

脳動脈瘤とは

脳の動脈の一部がコブ状に膨らんでいる状態です。

血管のつくりに関する先天的な要因に、高血圧・喫煙・飲酒などの後天的な要素が加わり、形成されるといわれています。

くも膜下出血は、この脳動脈瘤が破裂することで起こる病気です。

脳動脈瘤は、基本的に症状がないため見つかりにくいものです。

脳ドックやMRI(MRA)検査などで偶然見つかるケースがほとんどです。

発見された場合、脳動脈瘤の大きさ・位置・形などに加えて、本人の年齢や基礎疾患など、さまざまな要因を統合し、経過観察か手術を行うか、治療法を検討します。

くも膜下出血の症状

くも膜下出血発症時には、今までに経験したことのないような激しい頭痛や嘔吐が起こります。

また、出血によって、頭の中の圧が高まると、意識を失ったり、けいれん発作が起きたりします。

突然発症することが多いくも膜下出血ですが、時には初期症状と呼ばれる前兆が現れることもあります。

初期症状・前兆とは

くも膜下出血における前兆とは「くも膜下出血が起こる数秒前~数か月前に起こる症状」を指します。

症状は数日で消失することもありますが、くも膜下出血が起き始めている可能性があるため、以下の症状に気づいたら、すぐに医療機関を受診しましょう。

頭痛・吐き気・嘔吐

前兆にあたる頭痛は必ずしも激しいものとは限りません。

前兆の頭痛は警告頭痛とも呼ばれ、痛みの強さや痛みが続く期間はまちまちです。

「ズキズキと脈打つような痛み」と表現されることが多いです。

吐き気・嘔吐を伴う頭痛は、くも膜下出血の前兆の可能性があるので、すぐに受診しましょう。

血圧の大きな変動

くも膜下出血を発症する数日前から、血圧が大きく変動することがあります。

脳動脈瘤や高血圧がある方は、血圧を測る習慣をつけ、普段の血圧を把握しておきましょう。

心当たりのない大きな血圧の変動が起きたときは、すぐに受診しましょう。

目の症状

脳動脈瘤は、目に関連する脳神経を圧迫することがあります。

脳神経が圧迫されると、まぶたが持ち上がらず目が開けにくかったり、二重に物が見えたり、目の奥に痛みを感じたり、視野が狭くなったりします。

圧迫による症状が出現したときは、脳動脈瘤の破裂の危険性が高まっているため、すぐに受診しましょう。

くも膜下出血のリスク因子

くも膜下出血のリスク因子となるものとして、以下が挙げられます。

・高血圧
・喫煙
・飲酒
・年齢(40歳以上)
・女性
・家族歴

ストレスとの関係とは

ストレスは心身の不調に直結し、生活習慣病を引き起こすリスクとなります。

また、くも膜下出血とストレスに関して、女性が特に注意しなくてはならない理由を説明します。

そもそもストレスとは?

ストレスと聞くとネガティブなイメージを持つかもしません。

しかし、ストレスというのは、何かしらの刺激に対し、心や身体が対処しようと反応することをいいます。

例えば、誕生日プレゼントをもらったときに心が踊ることも、仕事の失敗に落ち込むことも、どちらも心身が緊張して起こるストレスの反応です。

人はストレスを感じたとき、身体の中では、交感神経が興奮し、ホルモンのバランスを調整してストレスに適応しようとします。

しかし、過度なストレスが続くような状況では、ホルモンの調整が追いつかなくなり、やがて過労死などの死に至ります。

つまり、適度なストレスは良いパフォーマンスを引き出すことにつながりますが、少なすぎるストレスや強すぎるストレスは、心身ともにバランスを崩す要因となるのです。

くも膜下出血との関係

ストレスを受けたときには身体のホルモンが調整され「糖質コルチコイド」というホルモンが放出されます。

糖質コルチコイドとは、身体がストレスに耐えられるように血糖値や血圧を上げ、代謝の状況も変化させます。

つまり、繰り返し過度なストレスにさらされた場合、糖尿病・高血圧・動脈硬化などの状態に近くなるのです。

糖尿病や動脈硬化は血管を弱らせ、高血圧は血管に負担をかけます。

くも膜下出血は、脳動脈瘤が破裂して発症するため、血管がもろいことも血圧が高いことも好ましい状況とはいえません。

また、女性は男性に比べ、2倍近くの確率で、くも膜下出血を発症しています。

更年期などでホルモンが変化し、自律神経が乱れやすい状況であることから、いつの間にか高血圧になっているなど、気づかぬうちにリスク因子が増えていることがあります。

そもそもホルモンが変動しやすい状況に過度なストレスがかかると、身体が適応できず、くも膜下出血のリスクがより高まるため注意が必要です。

ストレスへの対処法

ストレスを溜めすぎないためには、ストレスを感じているときに「眠れなくなる」「お腹が痛くなる」「イライラする」など、自分のストレスサインを知ることが大切です。

そして、ストレスサインに気づいたら、休息を取ったり、気分転換したりしてストレスから解放されましょう。

ストレス発散のために活動するときは、以下のポイントを心がけましょう。

・自分の能力にあった勉強や仕事で、満足感や成功感を体験する

・グループ活動に参加し、孤立しないようにする

・遊びやスポーツで心の緊張を解く

・ストレスの原因を解釈しなおし、不安や劣等感を防ぐ

・人間関係を調整し、無用な緊張を防ぐ

くも膜下出血の予防

まずは、自分にくも膜下出血のリスクがどの程度あるのか把握することが必要です。

40歳以上で、くも膜下出血のリスク因子に複数当てはまる場合は、脳ドックなどでの検査を検討してみてください。

そして、くも膜下出血の予防は生活習慣の改善が何よりも効果的です。

高血圧・喫煙・飲酒に関連する部分は、なるべく早くアプローチしましょう。

まとめ

くも膜下出血の原因のほとんどは脳動脈瘤によるものです。

そして、脳動脈瘤の破裂を引き起こす要因となるものは、高血圧・喫煙・飲酒・年齢(40歳以上)・女性・家族歴です。

つまり、ストレスは直接的な原因ではありません。

しかし、過度なストレスはくも膜下出血のリスクを高めます。

また、ホルモンバランスの変化から、女性はさらに影響を受けやすいため注意しましょう。

くも膜下出血は予防・早期発見・早期治療が大切です。

自分のリスク因子を把握し、生活習慣を整え、ストレスと上手に付き合っていきましょう。

参考)脳血管障害・脳卒中(e-ヘルスネット:厚生労働省)
脳血管障害・脳卒中 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)

参考)知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス:厚生労働省
1.ストレスって何?|セルフケアでこころを元気に|メンタルヘルスへのとびら|メンタルヘルス|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

参考)第2章心のケア 各論(在外教育施設安全対策資料【心のケア編】):文部科学省
第2章 心のケア 各論:文部科学省 (mext.go.jp)

参考)心の健康のためのサービスガイド:京都府精神保健福祉総合センター
〈ストレス〉ストレスとは(心の健康について)[京都府精神保健福祉総合センター] (pref.kyoto.jp)

この記事を書いた人

脳梗塞・脳出血などの脳血管障害は、65歳以上が要介護の状態になる原因の1位(厚生労働省調べ)であり、脳卒中患者のQOL向上の一助となることを目指し、基礎知識・予防・リハビリ情報をお届けするWEBマガジンです。

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