脳梗塞を含む脳卒中は、2017年の厚生労働省の調査で年間111万人もの方が発症しています。
脳梗塞を発症すると後遺症を伴うことが多く、介護が必要な状態となることもあります。
多くの方が発症する脳梗塞は「食事などの生活習慣から引き起こされる病気」とも言われます。
食事が要因であれば、反対に食事で予防できるものです。
今回は「脳梗塞の予防に効果的な食事レシピと食事のコツ」についてご紹介します。
脳梗塞予防は食事でできる
脳梗塞の主な要因は動脈硬化です。
なぜ動脈硬化になるのかというと、以下が原因です。
- 高血圧
- 高コレステロール
- 高脂血症
- 高血糖
高コレステロール・高脂血症・高血糖は血液がドロドロになるため、血流が悪くなり、血管に負担がかかります。
スムーズに流れなくなった血液は血栓(血のかたまり)ができやすくなります。
加えて、高血圧や血液がドロドロの状態は血管に強い圧力がかかるため、血管が徐々に固くなっていきます。
動脈硬化の原因となる①高血圧、②高コレステロール、③高脂血症、④高血糖は、食事で値を下げることができます。
つまり、食生活に気をつけることで動脈硬化を防ぐことに繋がり、その結果、脳梗塞予防にもなるということです。
脳梗塞を予防できる食事レシピのコツ
脳梗塞を予防するための食事レシピのコツは、主に6つあります。
- 塩分をとりすぎない
- 野菜は多めにとる
- 青魚を取り入れる
- 肉は鶏肉・赤身を選ぶ
- 体に良い油をとる
- 納豆を取り入れる
順に紹介していきます。
塩分を摂りすぎない
塩分の摂りすぎは高血圧の要因となります。
塩分を摂りすぎると、血液中の塩分濃度を下げるために、血管内に水分が多く取り込まれるようになります。
血流量が多くなることで高い圧をかけることになり、結果として高血圧になります。
日本食は、味噌・醤油といった塩分が多く含まれる調味料が使用されているため、塩分摂取量が多い傾向にあります。
また、厚生労働省によると、日本人の1日塩分摂取量の目標は減少を目指すものとされています。
具体的な数値は「成人男性7.5㎎未満、成人女性6.5㎎未満」とされています。
なお、高血圧の重症化予防の食事は6.0㎎未満とされています。
野菜は多めにとる
野菜などに含まれているカリウムは、体内の余分な水分を排出し、血圧上昇を防ぐ効果があります。
緑黄色野菜、いも類、豆類、果物類
調理で煮ると溶け出す性質があるので、生での摂取が推奨されます。
加えて、野菜などに含まれている食物繊維は、血糖値の上昇抑制、コレステロール値や中性脂肪値を下げる役割があります。
ブロッコリー、ごぼう、オクラ、セロリ、アスパラガス、白菜、キャベツなど
また、きのこ類にも食物繊維が多く含まれています。
青魚を取り入れる
青魚に含まれるDHA・EPAは高血圧の予防、コレステロール値の低下に効果があります。
加えて、EPAは血栓を予防する役割もあります。
肉は鶏肉・赤みを選ぶ
肉の脂身は動物性脂肪といい、とり過ぎはコレステロールや中性脂肪を増やす「飽和脂肪酸」です。
肉を食べる際は鶏肉や赤身といった、脂身が少ない部分を選びましょう。
また、脂身がある肉の場合は、脂の部分を切り落とすと良いでしょう。
体に良い油をとる
マーガリンやショートニングに含まれる「トランス脂肪酸」はコレステロールを増やす要因となることが分かっています。
食事のレシピに使われていることが多いですが、できるだけ控えるようにしましょう。
体に良いとされる油の「不飽和脂肪酸」は、コレステロールや中性脂肪を下げる効果があります。
食事レシピに積極的に取り入れていきましょう。
納豆を取り入れる
納豆に含まれる「ナットウキナーゼ」は、血栓を予防する効果があります。
毎日の食事に納豆を取り入れるだけで、脳梗塞の予防に繋がります。
脳梗塞が予防できる食事レシピ
脳梗塞が予防できる食事のコツをふまえ、簡単に作ることができるレシピを紹介します。
アボカドとトマトのサラダ
材料
- アボカド(1個)
- トマト(1個)
調味料
- オリーブオイル(大さじ1)
- 減塩醤油(小さじ1)
- 酢(小さじ2)
- すりおろしにんにく(小さじ1)
作り方
- アボカドとトマトを食べやすいサイズに切ります。
- 調味料をボウルに全て入れ混ぜます。
- ②のボウルに①で切ったアボカドとトマトを入れ、全体にからめて完成。
アボカドとトマト以外の野菜でも代用できます。
ブロッコリー、パプリカ、キャベツなどお好みの野菜を使ってみましょう。
納豆とオクラのねばねばサラダ
材料
- 納豆
- オクラ(ネットで売っているタイプ)
調味料
- 納豆付属のたれ
- 減塩醤油(数滴)
- かつおぶし
作り方
- オクラをネットに入れたままの状態で、手で挟みこすります。(塩もみの代用にネットに入れた状態でこすり、うぶ毛をとります。)
- 水で洗いがくを取り除きます。
- 600Wのレンジで40秒チンします。
- 納豆に付属のたれを加え混ぜます。
- チンしたおくらの粗熱をとり、一口サイズに切ります。
- ⑤のおくらを④の納豆にのせます。
- 減塩醤油を数滴、かつおぶしをかけて完成。
小松菜とささみの胡麻和え
材料
- 小松菜(1束)
- ささみ(1切れ)
調味料
- オリーブオイル(大さじ1)
- すりおろしにんにく(小さじ1)
- ポン酢(大さじ1)
- すりごま(大さじ1)
作り方
- 小松菜を沸騰したお湯で柔らかくなるまで茹でます。
- 柔らかくなったら引き上げ、水分をとり5cm幅に切ります。
- オリーブオイルをフライパンにしき、すりおろしにんにくを加え、中火でささみを焼きます。
- ささみをひっくり返し、両面焼けたら弱火で中身まで焼きます。
- ささみに火が通ったら、ポン酢・すりごま・②の小松菜を加えます。
- 絡めたら完成。
小松菜は白菜、ほうれん草でも代用できます。お好みの野菜を使いましょう。
鶏むね肉のカレーソース和え
材料
- 鶏むね肉(1切れ)
調味料
- 片栗粉(大さじ1)
- オリーブオイル(大さじ1)
- 合わせ調味料
オイスターソース(大さじ1)、マヨネーズ(大さじ1)、酒(大さじ1)、減塩醤油(小さじ1)、カレー粉(小さじ1)
作り方
- 鶏むね肉を一口サイズに切り、片栗粉を加え絡めます。
- 合わせ調味料は混ぜておきます。
- フライパンにオリーブオイルをひき、①の鶏むね肉を焼きます。
- 鶏むね肉ひっくり返し、両面焼けたら弱火で中身まで焼きます。
- 鶏むね肉に火がとおったら、合わせ調味料を入れ絡めて完成。
カレーの味がアクセントになり、少ない醤油でも十分美味しいです。
醤油で食べない青魚の刺身
材料
- お好きな青魚(刺身の状態)
調味料
- ポン酢
- わさび
作り方
- 調味料を混ぜる
- 青魚の刺身を➀につけて食べる
生で食べることで栄養素を逃すことなく食べることができます。
物足りなさを感じる方は、人参や大根のすりおろしを調味料に加えると、味に深みが増します。
脳梗塞予防の食事レシピを取り入れよう
今回は「脳梗塞の予防に効果的な食事レシピ」と「食事のコツ」についてご紹介しました。
食事のコツさえおさえておけば、日常生活の中で自然と脳梗塞予防の食事ができます。
最初は、減塩の調味料は物足りなく感じるかもしれません。
物足りないときは、酢やレモンといった酸味を加えることでカバーができます。
毎日減塩の調味料を使うことで、薄味にも徐々に慣れていきます。
脳梗塞予防の食事は毎日のことですので、無理なく続けられることが何よりも大切です。
減塩の調味料を使ってみたり、サラダを取り入れたりと、簡単なところから始めてみましょう。