【脳の健康診断】脳ドックの費用と少しでも安く受けるための方法

​​血液検査、レントゲン検査、心電図検査など、健康診断には様々な種類があります。

しかし「脳の検査」を受けたことがある方は、少ないのではないでしょうか。

「脳の検査って、一体何するの?」「時間がかかる?」「痛かったり、怖かったりするものではないのかな?」このような不安を抱く人も多いと思います。

今回の記事では、脳ドックの費用について紹介しながら、これらの疑問に対してもお答えしていきます。

目次

【健康診断の種類】人間ドックと脳ドック

人間ドック」というワードを聞いたことがある方は多いでしょう。

人間ドックは、病気の予防を目的とした任意の健康診断のことです。

血液・尿検査、心電図検査、胃バリウム検査、大腸内視鏡検査、女性の方では乳房超音波検査などが検査項目に含まれます。

しかし、通常の人間ドックでは、大抵の場合、脳の検査は網羅されていません。

脳の検査を行うとなると、通常の人間ドックとは別で「脳ドック」を受けることになります。

脳ドックとは?

脳ドックは、以下を目的に行われる健康診断の一種です。

“隠れ脳梗塞”の発見
・その他脳に関係する疾患のリスクの早期発見 など

脳梗塞の中には、症状が出ないままジワジワと進行していくものがあります。

脳の中の太い血管が血栓などで詰まってしまう場合には、突然手足が動かなくなったり、言葉が離せなくなったりします。

しかし、細い血管が詰まっている場合には、なかなか症状が現れません。

こういった症状の出ない小さな脳梗塞が増えていくことで、認知症の原因になったり、脳出血や症状の重い脳梗塞の原因になったりしてしまうのです。

脳ドックは、これらの自覚のない兆候やリスク要因をできるだけ早く発見し、命の危険に関わる重大な病気の発症を予防するために役立ちます。

参考:
一般社団法人 日本脳ドック学会HP
https://jbds.jp/brain-dock/

脳ドックの検査内容

脳ドックの検査内容としては、以下のようなものがあります。

MRI/MRA検査:
脳の断層と脳血管を撮影する検査

頸動脈エコー検査:
頸動脈(首にある、脳につながる重要な血管)の狭窄を確認する検査

CT検査:
脳の断面を撮影する検査

心電図検査:
不整脈を調べる検査(不整脈は、脳梗塞の原因の1つです)

ABI(血圧脈波)検査:
動脈硬化の程度を調べる検査

認知機能検査(VSRAD):
MRI画像を使い海馬の萎縮度を通常と比較して、その数値をスコアにすることで早期アルツハイマー病の診断を行う検査

見慣れない検査もあるかと思いますが、どれも痛みを伴う検査ではありません。

脳ドックにかかる時間

コースによりますが、脳ドックは検査項目が多いほど時間はかかります。

おおよそ30分~3時間ほどかかるのが一般的です。

脳ドックを受けた方が良い人・受けられない人

脳血管疾患は40~50代で特に発症リスクが高まります。

そのため、40歳になったら一度は受診した方がよいと言われています。

また、通常の健康診断結果や生活習慣から見て、脳ドックを受診した方がよいケースもあります。

脳ドックを受けた方が良い人

以下の項目に当てはまる方は、脳ドックを受けた方が良いでしょう。

・高齢者

・40歳以上で、これまでに脳ドックを受診したことがない人

・40歳未満でも生活習慣病が指摘されている人

・脳卒中・認知症の家族歴がある人

・高血圧・脂質異常症・糖尿病の人

・肥満気味の人

・飲酒や喫煙の習慣がある人

脳ドックを受診できない可能性のある人

以下の項目に当てはまる方は、脳ドックを受診できない場合があります。

・妊娠中、あるいは妊娠している可能性がある人

・心臓ペースメーカーなど、体内に金属を埋め込んでいる人

・タトゥーやアートメイクをしている人

MRIは、磁気を利用して撮影をする機械なので、金属に反応してしまうと検査に支障が出たり、安全に実施されないなどの恐れがあります。

また、この他にも閉所恐怖症の方は、MRI検査などで強い恐怖を感じる可能性があります。

最近では、閉塞感を感じさせないようなオープン型のMRI機器を備えている病院があったり、アイマスク・耳栓を使用したりすることもできます。

脳ドックの費用

脳ドックは、健康な状態で行う予防的検査になるため、保険適用外で全額自費負担となります。

平均的な費用は2~5万円ほどです。

それぞれの医療機関毎に複数の検査項目を組み合わせた独自のプランを作っている場合が多く、検査する項目によって費用が変わります。

5万円ほどのコースになると、より精密な検査を受けられます。

検査項目毎の費用(目安)

脳ドックは検査項目によって費用が変わってきますが、下記の3つは欠かすことのできない検査項目(基本的な検査)です。

①脳の断面を撮影するMRI

②脳血管を撮影するMRA

③脳に血液を送る首の血管「頸動脈」を超音波で画像を映し出す頸動脈エコー

これら3つの項目に加え、脳の断面を撮影するCT検査も行いたい場合は、追加することが可能です。

MRIとCTにはそれぞれ種類がありますが大きな違いとしてMRIは脳梗塞、CTは脳出血を発見するのに適しています。

どちらも電磁石を利用して行う検査です。

脳ドックの基本的な検査と費用(目安)

MRI/MRA
30,000〜70,000円

頸動脈エコー
3,000〜6,000円

CT検査
20,000〜40,000円

CT検査を除く基本的な3つの項目であれば、合計2.5万円~3.5万円前後が相場となります。

オプションで行う検査と費用(目安)

心電図検査(短時間の心電図のみ)
2,000〜3,000円

ABI検査
1,000〜2,000円

認知機能検査
5,000〜8,000円

それぞれの医療機関によって、オプションで追加できる検査項目は異なります。

追加検査できる項目の豊富さには差があっても、ひとつひとつの検査費用にはほとんど差はありません。

脳ドックを少しでも安く受けるには

「少しでも安く脳ドックを受診したい」と考えたとき「検査項目が少なく、できるだけ安い医療機関やプランを探す」という手段が考えられます。

しかし、安易に安さだけで選ぶことはおすすめできません。

脳ドックは、家系や生活習慣など様々な条件を考慮して「自分が納得できる医療機関」を選ぶことが何よりも重要となります。

そこで注目したいのが、脳ドックに対する助成・補助制度です。

脳ドックに対する助成・補助制度を活用しよう

多くの方がより気軽に脳ドックを受診できるように、様々な自治体が脳ドックに対する助成・補助制度を導入しています。

また、会社によっては独自に出している補助制度もあります。

助成・補助制度には、以下のように自治体ごとに様々あります。

国民健康保険社会保険の加入者を対象にした制度
後期高齢者医療制度の被保険者に対する制度 など

すべての自治体・会社がこのような制度を導入しているわけではなく、助成制度の利用条件も細かく決まっています。

もしも住んでいる自治体でこのような制度が整い、利用条件を満たしていれば、脳ドックを受ける際の金銭的な負担を軽くすることができます。

脳ドックに対する助成・補助制度の例

例えば、以下のような助成・補助制度があります。

千葉県浦安市
40歳から74歳までの浦安市国民健康保険の被保険者に対し、脳ドック費用の内1万5千円を助成(参考①)。

東京都荒川区
40歳以上の荒川区国民健康保険または荒川区で後期高齢者医療制度の被保険者に対し、脳ドック費用の半分の金額を助成(上限2万円)(参考②)。

脳ドック受診にかかる平均的な費用は2〜5万円ですので、これだけの額を助成してもらえたら、金銭的な負担が軽くなるかと思います。

参考:

①浦安市HP
https://www.city.urayasu.lg.jp/index.html

②荒川区公式HP
https://www.city.arakawa.tokyo.jp/index.html

生命保険で脳ドックの割引が適用される場合も

民間の生命保険に加入している場合は、保険会社が提携する医療機関で脳ドックの割引を受けられることがあります。

利用条件や対象のコース、割引内容などはそれぞれ異なります。

一度、自身が加入している生命保険会社に確認してみましょう。

自覚症状がある場合は健診ではなく保険診療を

脳ドックは、あくまで予防的な検査であるため自由診療となり、保険は効きません。

しかし、何かしらの自覚症状があって検査を受ける場合は、保険診療となり費用を安く抑えられます。

例えば、手足に痺れがあり、病院で動脈硬化の疑いがあると判断された場合、MRIやCT・MRAなどの検査にも保険が適用されます。

同じ検査をするにも、自覚症状のあるなしで自由診療か保険診療かが変わってきます。

すでに手足のしびれやまひ、話しにくさ、真っすぐ歩けないなどの症状が出ている場合は、脳ドックではなく、保険診療で受診しましょう。

【まとめ】

今回は、脳ドックの費用に焦点を当て、受診費用を抑えるための方法などをご紹介しました。

脳ドックは、脳梗塞や脳卒中などの脳血管疾患を早期発見するために非常に重要な役割を果たします。

しかし、現状として脳ドックの受診率はまだまだ高いとは言えません。

その一番の理由は、費用が高いという点にあります。

脳ドックの費用は、検査プランや検査項目によって変動します。

中には、人間ドックと一緒に受けられたり、がん検診と一緒に受けられたりするものもあります。

自身の希望に合わせて適切な検査を選べば、その費用も納得できるものになるでしょう。

また、住んでいる自治体や会社によって助成・補助制度を受けられる場合があります。

加入している生命保険の内容によっては、割引を受けられるかもしれません。

少しでも安く受診したいという方は、まず自分が利用できそうな助成・補助制度があるのか調べてみてください。

脳血管疾患に限った話ではありませんが、病気は早期発見できるかどうかで予後が大きく左右されます。

今現在自覚症状がなかったとしても、将来的な予防のためにも、ぜひ一度脳ドックを受けてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

脳梗塞・脳出血などの脳血管障害は、65歳以上が要介護の状態になる原因の1位(厚生労働省調べ)であり、脳卒中患者のQOL向上の一助となることを目指し、基礎知識・予防・リハビリ情報をお届けするWEBマガジンです。

目次