【脳梗塞を予防する自宅での生活習慣】8つのポイントと習慣を変えるコツ

脳梗塞のほとんどは、生活習慣が要因となって発症するといわれています。

脳梗塞は一度発症すると再発するリスクが高く、自宅での生活習慣次第で再発リスクの程度が大きく変わります。

「生活習慣で脳梗塞が予防できるなら取り入れたい」と思われる方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は「脳梗塞が予防できる自宅での生活習慣」について紹介します。

目次

脳梗塞を予防するには自宅での生活習慣が大切

脳梗塞を予防するには、自宅での生活習慣が大切です。

具体的には以下の8つの習慣が、脳梗塞予防に効果的といわれています。

  1. 食事内容に注意する
  2. 食事を食べ過ぎない
  3. タバコを止める
  4. 飲酒はほどほどに
  5. こまめに水を飲む
  6. 運動を取り入れる
  7. ストレスをためこまない
  8. 持病の治療を続ける

それぞれ詳しく紹介します。

1.食事内容に注意する

脳梗塞を発症する方は、高血圧・高脂血症・糖尿病・肥満といった生活習慣病を伴っていることが多く、これらの生活習慣病は食生活と大きく関わっています。

主に高血圧は塩分の高い食事、高脂血症は動物性脂肪の多い食事、糖尿病は炭水化物に偏った食事が原因で発症するケースが多いです。

以下で食事内容の具体的な注意点を紹介します。

【高血圧】塩分をとりすぎない

日本食は、醤油や味噌といった塩分が高い調味料を使用するため、高血圧になりやすいです。

料理の際は以下のような工夫をして、塩分を摂りすぎないように注意しましょう。

  • 減塩の醤油や味噌を使う
  • 味付けにお酢やスパイスを活用する

ちなみに、厚生労働省の政策である健康日本21では、1日の塩分量の目安は以下を推奨しています。

成人男性7.5㎎未満
成人女性6.5㎎未満

日本高血圧学会では、高血圧患者における塩分量の目安を1日6㎎未満としています。

【高脂血症】動物性脂肪を控える

動物性脂肪の多い食品としては、以下が挙げられます。

  • 肉の脂身
  • ラード
  • 牛乳や乳製品
  • 洋菓子など

肉を食べるときは脂身を避け、牛乳や乳製品は大豆などの植物性脂肪を取り入れると、動物性脂肪を控えることができます。

【糖尿病】栄養バランスを考える

偏った食事は糖尿病の要因となるため、栄養バランスがとれた食事をとることが大切です。

血糖値の急激な上昇を防ぐために、食事の際は野菜から食べ、炭水化物は食事の後半に食べるよう心がけましょう。

2.食事を食べ過ぎない

食べ過ぎも生活習慣病の一因であり、脳梗塞を発症する要因となります。

食事は腹8分目を意識し、満腹になるまで食べないことを心がけましょう。

料理を盛り付けるときは、多めに盛り付けないこともポイントです。

食事をたくさん食べる方の中には「料理を残してはいけない」という思いから、満腹でも無理して食べる方がいます。

あえて多めに盛り付けないことで、食べ過ぎを予防できます。

3.タバコを止める

タバコと高血圧は密接に関係しています。

タバコを止めることで、高血圧の悪化を防ぎ、脳梗塞の予防につながります。

しかし、今までタバコを習慣としていた方にとって、いきなり禁煙することは難しいかもしれません。

そのような方におすすめなのが、病院で行われている禁煙外来です。

条件によっては、保険適用で禁煙の治療ができます。

4.飲酒はほどほどに

飲酒は生活習慣病の要因といわれており、過剰な摂取は控えましょう。

加えて、お酒を摂取すると、アルコールを解毒するために、体内の多くの水分が使われて脱水になることがあります。

脱水は、体内の水分である血液量が足りていない状態であり、脳梗塞を発症するリスクが高まります。

飲酒をしたときは、積極的に水分をとるようにしましょう。

5.こまめに水を飲む

こまめに水を飲むことも、脳梗塞を予防するための大切な生活習慣です。

水を飲むことで血液が流れやすくなり、脳梗塞を始め、さまざまな病気の予防にもなります。

一度にたくさんの水分を飲むと、適切に体内に吸収されないため、こまめに水を飲むことがポイントです。

特に汗をかいているときや気温が高い日は、水を飲む回数を増やしましょう。

汗をかいている自覚がなくても、以下のようなときは水を飲みましょう。

  • 肌や唇の乾燥を感じたとき
  • 空調の効いた部屋に長時間いるとき

6.運動を取り入れる

運動は、生活習慣病の予防や悪化を防ぐのに効果的であり、脳梗塞の予防にもつながります。

運動を習慣としていない人にとって、運動はハードルが高いと思われるかもしれません。

しかし、簡単に体を動かすだけでもよいです。

自宅で椅子に座りながら踵上げをしたり、脚上げをしたり、太もも上げをしたりするだけでも、筋肉や血管への刺激になります。

散歩は全身の筋肉や関節を使うため、最も効果的な運動です。

7.ストレスと疲労をため込まない

日頃のストレスと疲労をため込まないことも、自宅でできる脳梗塞予防です。

ストレスと疲労は、脳梗塞だけでなく、さまざまな病気の要因となります。

自分に合ったストレス解消方法と、疲労をため込まない休息を生活習慣に取り入れましょう。

具体的な例としては、自宅でお風呂に少し浸かるだけでも、リラックスできたり疲労が和らいだりします。

また、明るい時間に散歩をすることで、日光を浴び風を感じることができ、ストレスが軽減します。

8.持病の治療を続ける

持病の治療を中断せずに続けることは、脳梗塞の予防につながります。

脳梗塞は生活習慣病が要因になるため、生活習慣病を指摘されて服薬や通院をされている方は継続しましょう。

その他の病気を患っている方も、治療を継続することが大切です。

脳梗塞に関わらず、病気は複合的な要因が重なって発症します。

現時点でわかっている病気を治療することで、他の病気を予防できます。

そして、自分の体調を把握している医師が身近にいるのは心強いです。

病気の種類によっては完治が難しいものがありますが、悪化を予防することや進行を遅らせることは可能です。

自宅の生活習慣を変えるときは「一度に」ではなく「少しずつ」

今回は「脳梗塞が予防できる自宅での生活習慣」について紹介しました。

脳梗塞を予防するためには、自宅での生活習慣の見直しが大切です。

一度にすべてを変えないことが長く続けるコツです。

今までの生活習慣を一度にすべて変えることは難しく、急に変えるとかえってストレスになることがあります。

ストレスを強く感じると、元の生活に簡単に戻ってしまいます。

生活習慣を変えるときは、以下のような取り組みやすいことから始めてみましょう。

  • 減塩の調味料を使う
  • 食事にサラダを取り入れる

脳梗塞の予防ができる生活習慣を長期的に続けることで、血圧の値が落ち着いたり検査データの結果がよくなったりと、効果が実感できます。

長く続けるためにも「無理はしすぎない」「できることから少しずつ」を意識しましょう。

この記事を書いた人

脳梗塞・脳出血などの脳血管障害は、65歳以上が要介護の状態になる原因の1位(厚生労働省調べ)であり、脳卒中患者のQOL向上の一助となることを目指し、基礎知識・予防・リハビリ情報をお届けするWEBマガジンです。

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