40代になったら脳ドックを受診しよう!その理由と脳ドックを受けるべき人の特徴

脳血管疾患の有無とリスクが分かる、脳ドック。

脳ドックは「40代から受診したほうがよい」という言葉を耳にします。

しかし、その中で「なぜ40代で受診をするのか」と疑問を抱く方もいるでしょう。

今回は、以下についてご紹介します。

  • 脳ドックを40代で受診する理由
  • 40代未満でも脳ドックを受診したほうがよい人
  • 脳ドックの重要性
目次

脳ドックは40代が推奨される理由

なぜ脳ドックは40代が推奨されるのかというと「脳血管疾患の患者数が40代になると多くなるから」です。

平成30年の厚生労働省の患者調査では、性別問わず、40代になると脳梗塞の患者数が多くなることが明らかになりました。

加えて、令和2年度の患者調査では、35歳以上になると脳血管疾患を発症する割合が高いことが分かっています。

こちらの調査は、40代以上の区切りでなく35歳以上で統計をとっていますが、34歳までの方と比較し、脳血管疾患の患者数が多いことは明らかです。

このような統計結果を踏まえて「40代になったら脳ドックを受診しよう」と推奨されるようになりました。

なお、65歳以上になると、さらに脳血管疾患の患者数は増加します。

令和2年の脳血管疾患の総患者数は約197万人にのぼり、多くの方が発症する身近な病気といえます。

厚生労働省 平成30年 脳血管疾患患者数の状況
https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/18/backdata/01-01-02-04.html

厚生労働省 令和2年 患者調査統計表
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/20/dl/toukei.pdf

40代で脳血管疾患の発症リスクが高くなる理由

40代で脳梗塞の発症リスクが高くなる理由は「40代までの生活習慣」が関係しているからです。

40代までの生活習慣とは、食事内容や運動不足、喫煙、ストレス、睡眠不足などを指します。

こういった心身に負担のかかる生活習慣が、40代を過ぎると不調となって現れるのです。

生活習慣による病気を「生活習慣病」と言います。

症状としては、高血圧・糖尿病・高脂血症・高コレステロール血症・肥満などが当てはまります。

生活習慣病を抱えている方は、血管が硬くなる「動脈硬化」になりやすく、動脈硬化は脳血管疾患の要因といわれています。

40代未満でも脳ドックを推奨される人

40代から脳ドックが推奨されると説明しましたが、40代未満でも脳ドックを受診したほうがよい人の特徴があります。

40代未満でも脳ドックを受診したほうがよい人は、以下の方が当てはまります。

  • 生活習慣病がある
  • 脳血管疾患を患った家族がいる
  • 日頃から頭痛がある
  • 過度な喫煙や飲酒の習慣がある

脳ドックを受診したほうがよい人について、詳しく説明します。

1.生活習慣病がある

生活習慣病がある方は、脳血管疾患の発症リスクが高いため、脳ドックが推奨されます。

40代以上に限らず、若い方でも生活習慣病を指摘されることがあります。

生活習慣病は、職場の健康診断で発覚することが多いです。

脳ドックを受診することで、脳血管疾患の有無やリスクが分かり、必要時は早期治療や予防行動ができます。

2.脳血管疾患を発症した家族がいる

脳血管疾患を発症した家族がいる方は、脳血管疾患の発症リスクが高いです。

脳血管疾患のひとつであるくも膜下出血は、遺伝が関係しているといわれています。

くも膜下出血は、脳動脈瘤というコブのようになった動脈が破裂することにより、発症します。

発症すると命に大きく関わる病気のため、脳ドックによる早期発見が重要です。

また、遺伝だけでなく、一緒に過ごしている家族は、生活習慣が似ているために、脳血管疾患の発症リスクが高くなるともいわれています。

3.日頃から頭痛がある

日頃から頭痛がある方は、脳血管疾患による頭痛かもしれません。

もちろん頭痛は、肩こり、眼精疲労、低気圧、ストレスなど多くの要因があり、一概に脳血管疾患が要因とはいえません。

しかし、脳ドックを受診することで、脳血管疾患でなければ他に要因があると明らかになり、脳血管疾患があれば早期治療や予防行動をとることが可能になります。

4.過度な喫煙や飲酒の習慣がある

喫煙や飲酒は、脳血管疾患の発症リスクを高めます。

喫煙や飲酒の量が多ければ多いほど、発症リスクが高まることが明らかになっています。

心当たりがある方は、脳ドックを受診したほうが安心でしょう。

40代未満でも脳ドックが推奨される人について解説しましたが、上記に当てはまらない方でも「脳ドックを受診したい」と思えば受診してもかまいません。

脳ドックを受診することで脳の状態を知ることができ、異常がなければ安心に繋がります。

脳ドックの重要性

ここまで、40代以上になったら脳ドックが推奨される理由、40代未満でも脳ドックを受診したほうがよい人を紹介しました。

しかし、そもそも「なぜ脳ドックが重要なのか」気になる方がいるでしょう。

脳ドックの重要性について紹介します。

1.脳血管疾患は命に関わる、後遺症を伴う病気

脳血管疾患は、以下の2つの種類があります。

  1. 脳血管が詰まる、脳梗塞
  2. 脳血管が出血する、脳出血

どちらも発症すると脳神経細胞にダメージを与えるため、命に関わったり、一命をとりとめても後遺症を伴ったりするケースが多いです。

後遺症は、以下のようにダメージを受けた部位により異なります。

  • 四肢の麻痺
  • 言葉の障がい
  • 食事が飲み込めない
  • 感情の抑制がきかない など

脳ドックで脳血管疾患やリスクの有無を知ることで、早期治療や予防行動に繋がるでしょう。

2.早期発見・早期治療ができる

脳ドックでは、過去の脳梗塞や脳出血・脳動脈瘤・血管狭窄・動脈硬化の有無などが分かります。

その中でも、脳動脈瘤は破裂すると命に関わる病気です。

脳動脈瘤がある位置や大きさによっては、手術を勧められることがあります。

3.予防行動をとることができる

脳ドックを受診することで、予防行動にも繋がります。

脳血管疾患は再発リスクが高いといわれており、過去の脳梗塞や脳出血が判明した方は、今後も発症するリスクが高いです。

また、脳ドックで行われる頸動脈エコーでは、血管の狭窄や動脈硬化の有無が分かります。

脳ドックにて自分の脳と血管の状態を知ることで、生活習慣に意識を向けることができます。

40代を過ぎたら脳ドックを受診しよう

今回は「脳ドックを40代で受診する理由」を紹介しました。

統計から、40代を過ぎると脳血管疾患の患者数が多くなると明らかになっています。

脳ドックにより早期発見・早期治療ができ、予防行動にも繋がります。

長く健康を維持するために、自分の脳血管の状態を知ることは重要なことです。

また、40歳未満でも脳ドックが推奨される人がいます。

記事で紹介した推奨される人を参考に、自分が当てはまるか確認しましょう。

この記事を書いた人

脳梗塞・脳出血などの脳血管障害は、65歳以上が要介護の状態になる原因の1位(厚生労働省調べ)であり、脳卒中患者のQOL向上の一助となることを目指し、基礎知識・予防・リハビリ情報をお届けするWEBマガジンです。

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