脳ドックの必要性とは?脳ドックを積極的に受けた方が良い人

脳の病気は、その人の人生を左右するような大きな影響を与えます。

特に脳卒中と呼ばれる、脳梗塞・脳出血などの脳血管の病気は、存命できたとしても、後遺症が残りやすく、発症前の生活に戻ることが難しい場合が多いです。

自覚することが難しい脳の疾患において、脳ドックは非常に有効です。

健康状態の確認だけでなく、発症前の兆候を見つけたり、病気の早期発見・早期治療に活かすことができます。

今回は、脳ドックの必要性や積極的に受診した方が良い人についてご紹介します。

目次

脳ドックってなに?

脳ドックは、脳の状態を調べることに特化した健康診断の一種であり、脳を専門的に検査します。

通常の健康診断や人間ドックでは、脳の状態について調べることができません。

脳ドックではさまざまな検査機械を使用して、脳や血管の状態を画像・数値化し、健康状態を調べることができます。

脳の加齢による変化や病気の兆候について明らかにすることが可能なので、病気の早期発見や発病予防に有効です。

脳や血管の変化は、日常生活において自覚することが難しいため、脳の健康状態を保つためには脳ドックを受けることが重要です。

脳ドックを受ける目的は治療ではなく、あくまでも現状の脳の状態について把握し、健康維持や病気を予防するために行われます。

そのため、保険診療ではなく、自費での診療となります。

脳ドックを受診するメリット

脳ドックを受けることで得られるメリットは、人間ドック同様に、病気の早期発見・発病前の兆候・リスクを把握できることです。

脳の病気は他の疾患と比べても自覚しにくいものなので、健康状態を保つためには検査を受けることが重要になります。

自身が抱える脳疾患のリスクを自覚することで、生活習慣を見直し、発病予防に努めることができます。

脳ドックを受ける必要性は意外と大きい!

近年では、人間ドックだけでなく、脳ドックを受ける人も増えてきています。

そもそも、脳ドックを受ける目的は、脳の健康状態を把握することです。

加齢に伴う脳の変化だけでなく、病気発症の兆候やリスクについて調べるためには、脳専門の検査をする必要があります。

脳は、変化について自覚することが困難な部位です。

脳の病気は脳血管疾患によるものが多く、脳血管が詰まる「血管狭窄」や脳血管が破裂して出血する「脳動脈瘤の破裂」によって発症します。

血管狭窄や脳動脈瘤は、発生から脳疾患発症まで無症状で進行することがほとんどです。

そのため、脳疾患を発症した人の多くは「ある日突然」「兆候もなく発症した」と感じます。

ところが、実際は長期間に渡って脳血管にダメージを受けていたことが原因で発症することが明らかになっています。

脳疾患の発症を防ぐために、生活習慣などを若年層から予防することが大切です。

脳疾患はおよそ1/3人が死亡し、さらに1/3人の割合で後遺症などの障害がみられる怖い病気

脳の病気を発病すると、およそ3人に1人の割合で死亡するといわれています。

生存した場合でも、一度病気によってダメージを受けた脳は、発病前の状態に戻ることができません。

さらに約3人に1人の割合で、後遺症などの障害がみられます。

ダメージの大きさによって障害の重症度は異なりますが、重度の障害が残った場合は、介護が必要になったり家族の生活に影響が出たり、その後の生活が大きく変わることとなります。

軽度の場合でも、完全に元の生活に戻ることは難しいと感じる人が多いです。

脳の病気の発症を防ぐことが重要

脳の病気を発病すると高い確率で死に至る、もしくは後遺症などの障害に悩まされるケースが多いです。

脳疾患の発症前に、脳の状態を調べて病気を未然に防ぐことが重要です。

このように病気の兆候を捉えるなどのリスク管理において、脳ドックを受けることが有効であることがわかります。

積極的に脳ドックを受けた方が良い人とは?

それでは、具体的にどのような人が脳ドックを受けた方がよいのでしょうか。

脳ドック受診を推奨される人の特徴について、まとめていきます。

脳疾患のリスクが高い人は若年層でも受けた方が良い

以下の条件に当てはまる人は年齢に関わらず脳ドックを受診した方が良いでしょう。

  • 濃い味付け・甘いものが好きなど偏食がある
  • 喫煙者
  • 飲酒量が多い
  • 運動習慣がない

この他に血液検査の結果で、脂質異常、高血圧、高血糖などの異常を指摘された人は、20〜30代のような若年層でも血管年齢の老化が進み、血管内部がボロボロになっている可能性があります。

このような異常項目は生活習慣病のリスクとしても知られており、動脈硬化のような動脈の動きが固くなり、血行不良の状態になりやすいです。

そして、近年では生活習慣病や動脈硬化を発症する若年層の割合が増えています。

脳ドックを受診することは、脳の血管障害のリスクについて自覚することに繋がります。

そして、発症を予防するために、生活習慣を見直すきっかけにもなります。

他にも、衝突など身体に強い衝撃を受けるスポーツを行う人、特にサッカー、アメリカンフットボール、レスリング、ボクシングなどは脳震盪を引き起こす可能性が高く、こまめに脳の状態を検査しておくことをおすすめします。

50代以上であれば一度は脳ドックを受けた方が良い

50代以降では、脳血管障害のような脳疾患の発症リスクが急上昇します。

50代以上になると、加齢による身体の老化に加えて、長年蓄積されたリスクやダメージが負債となり、病気を発症しやすいと考えられています。

生死に関わる重篤な脳や心臓の疾患というと、多くの人は「くも膜下出血」や「心筋梗塞」など、ある日突然発症するものを想像するかと思います。

ところが、実際は年齢を重ねる月日のなかで徐々に身体に悪影響を及ぼすリスクが溜まっていき、いつの間にか重篤な疾患を発症することが多いです。

つまり、重篤な疾患の発症を予防するためには早い段階で脳ドックを受診し、自分が抱えるリスクを認識しておくことが大切です。

脳ドックの診断結果が『異常なし』だった場合でも、50代以上では数年おきに脳ドックを受けることをおすすめします。

遺伝的リスクがある人は脳ドックを受けておくと安心

脳血管疾患の発症は生活習慣が主な原因とされていますが、近年では脳血管疾患の発症に関与する遺伝子の存在も研究によって明らかになっています。

脳血管疾患を発症した人が親族の中にいる場合、他の人に比べて脳血管疾患の発症率が高まります。

一度は脳ドックを受診しておくと安心です。

脳ドックは脳の病気の発症予防に必要

脳の病気は、最悪の場合、生死を分けるような重篤な状態に至ることもあります。

脳へのダメージの蓄積を防ぐためには、早期に脳の状態や病気のリスクを把握することが必要不可欠です。

自覚症状がないうちに、一度脳ドックを受診しましょう。

この記事を書いた人

脳梗塞・脳出血などの脳血管障害は、65歳以上が要介護の状態になる原因の1位(厚生労働省調べ)であり、脳卒中患者のQOL向上の一助となることを目指し、基礎知識・予防・リハビリ情報をお届けするWEBマガジンです。

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