脳梗塞とうまく付き合っていくためには、いくつかのポイントがあります。
2回にわたって、脳梗塞の悩みを解決するポイントをお伝えしていきます。
悩んだときには、参考にしてみてください。
1. 頑張らない
自分で自分を追い込んでしまうタイプの方は、肩の力を抜いて頑張りすぎないようにしましょう。
リハビリは、毎日の継続が必要です。
しかし、熱があるときや体調が優れないときは、リハビリをお休みしましょう。
体を休めることも、ときには必要です。
体調が万全でも、リハビリをやりたくないこともあるでしょう。
そんなときは、リハビリの時間を変更してもらったり、リハビリメニューを変更してもらったり、工夫をしてみましょう。
どうしてもリハビリをやる気が起こらなければ、リハビリはお休みしましょう。
お休みすることで気持ちがリフレッシュできるのであれば、それもまたリハビリを頑張るひとつの方法だと思います。
まじめな方は、頑張らなければいけないという思いが、知らず知らずのうちにプレッシャーになっていることがあります。
決してリハビリのお休みを推奨するわけではないのですが、時には立ち止まってもよいのではないかと思います。
脳梗塞と向き合っていく上で、いつでも前向きでいられるわけではないと思います。
体は何か異常があれば、熱が出たりお腹が痛くなったりと、わかりやすいサインが出ます。
でも、心の場合はなかなかそのサインに気が付くことができません。
特にまじめな方ほど、その気持ちに蓋をしてしまいます。
自分の心の声をよく聞いて、ときにはお休みしましょう。
頑張りすぎず、脳梗塞とうまくお付き合いしていきましょう。
2. 未来に目を向けよう
脳梗塞の発症前と発症後を、比較しないようにしましょう。
言語障害や半身麻痺などが後遺症として残った場合、今までできていたことができなくなるのですから、苛立ちや悲しみを感じてしまうのは当然のことです。
しかしながら、脳梗塞を発症してしまったことはもう過去のことですから、変えようがありません。
辛いですが、気持ちを切り替えていきましょう。
「今後脳梗塞を再発しないようにするにはどうすればいいか」「どうやったら後遺症が軽くなるのか」といったことに目を向けていきましょう。
「脳梗塞ではなかったら」「脳梗塞になっていなければ」と「たられば」を言っていても、未来は変わりません。
未来を変えていくには、今を変えていくしかないのです。
3. 命が助かったことを幸運に思おう
脳梗塞は、ときには死にも繋がる病気です。
命が助かったことに感謝しましょう。
言語障害や半身麻痺などの後遺症は辛いですが、そう思うことができるのは、命があるからこそです。
「命あっての物種」ということわざがありますが、それはまさにこういうときのためにある言葉なのではないでしょうか。
人はいつでも、ないものねだりです。
失ってから、それが大切なものであったことに、初めて気が付きます。
仕事や家族もそうですが、健康もまた失ってから大切だったと気が付くことが多いです。
健康だった頃を知っていれば、後遺症のある生活は不便に感じるでしょう。
しかし、いつまでもないものねだりをしていても、何も始まりません。
後遺症があっても、できることはたくさんあります。
「脳梗塞になって後遺症が残ってしまった」ではなく「脳梗塞になったけれど命だけは助かった」と考えてみましょう。
考え方次第で、出来事はプラスにもマイナスにも変化していきます。
病気をできるだけ前向きに捉えていきましょう。
4. 感謝の心を忘れない
脳梗塞を発症したとき、救急車を呼んでくれた人・病院のスタッフ・家族など、いろいろな方が手を差し伸べてくれたのではないでしょうか?
後遺症がある方は、家族や介護サービスのスタッフなどの手を借りているのではないでしょうか?
病院や介護サービスのスタッフはそれを仕事としているので、業務をこなすことは当たり前です。
しかし、それがなければ死んでいたかもしれないし、もっとひどい後遺症が出ていたかもしれません。
感謝の心を忘れないようにしましょう。
いろいろな人の手助けがあってこそ、今の自分があるのです。
特に家族は、無償で手助けをしてくれています。
やってくれて当たり前ではありません。
今の時代、家族が介護をすることが当たり前ではなくなってきています。
家族が介護をしない場合でも、それを恨むのは違います。
仕事や子育てなど、家族にも人生がありますから、自分の気持ちだけを優先しないようにしましょう。
感謝の心を忘れないだけでなく、ときには感謝を口にしてみましょう。
「ありがとう」の一言で、お互いが気持ちよく過ごせます。
言葉に出さなければ、伝わらないこともあるものです。
感謝の気持ちを口にすることを恥ずかしいと思う方もいるかもしれませんが、人間関係を円滑にするためと思って、一度やってみてください。
一度口にしてみれば、案外簡単なことだなと思う方も多いはずです。
家族とは距離も近く一番身近な存在ですから、一緒にいることが多いと感謝の心が少しずつ薄れていってしまいます。
時々自分自身の態度や言葉遣いを見直してみましょう。
感謝の心を忘れてはいけません。
5. 自分に自信をつけよう
後遺症などによりできないことがあると、人はどんどん自信を失っていってしまいます。
ちょっとしたことでよいので、クリアできるような小さな目標を設定してみましょう。
そして、その小さな目標をどんどん達成していってください。
達成感は自己肯定感を高めていき、自分に自信がついていきます。
自分を認めることができるようになると、病気に対する考え方は変わっていきます。
病気に対して、前向きに考えることができるようになってきます。
自己肯定感の低い人は、物事をネガティブに捉えがちです。
病気に対しても、ネガティブに捉えがちです。
自分のことが好きではない人は、自分を褒める癖をつけていきましょう。
自分の良いところを見つけていくことで、自分が好きになっていきます。
自分の良いところが見つからない方は、周りの人に聞いてみましょう。
自分では気づけなかった良いところが、見つかるはずです。
自信をつけて、人生を楽しく生きましょう。