スマート脳ドックと脳ドックは何が違うの? 

皆さんはスマート脳ドックという言葉を聞いたことはありますか?

簡単に説明すると、脳ドックをもっと手軽に受診できるように設定されたものです。

スマート脳ドックは受付や検査時間の無駄を徹底的に省き、手ごろな価格で提供されています。

今回はスマート脳ドックについて、一般的な脳ドックとの違いを踏まえてご紹介します。

目次

一般的な脳ドックとは? 

脳ドックとは、脳の健康診断のことです。

機械によって、脳そのものや脳内血管の様子を画像化し、その状態を調べる検査です。

また、血液検査や各種のテストを通じ、動脈硬化などの病気のリスクについても診断します。

脳ドックを受けることで、病気の早期発見に繋がり、リスク管理や病気の予防に役立ちます。 

くも膜下出血や脳梗塞などの脳血管疾患(脳卒中)は、日本国内の死因ランキングで必ず上位になります。

また近年では脳血管性の認知症を発症する人も増えていますが、これは脳内血管の狭窄や損傷によって、血流が滞ることに起因します。

脳の病気は自覚のないままに進行し、突然発症してしまうケースが多いです。

このようなことから、脳ドックでの検査を通じ、脳の状態を把握することは、病気のリスク管理となり予防に有効です。 

脳ドックの費用相場 

脳ドックは、健康な状態での検査に該当することから、保険診療適用外となり、費用は全額自己負担です。

各医療施設では、受診者の要望に合わせ、様々な検査項目を組み合わせてプランを作成しています。

そのため、脳ドックにかかる時間や費用は、検査プランにより大幅に変動します。

脳ドックの受診をおすすめしたいのはこんな人 

以下の項目いずれかに当てはまる方には、脳ドックの受診をおすすめします。

  • 脳ドック受診の経験がない方 
  • 生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常、動脈硬化)の診断を受けたことがある方 
  • 日常的に飲酒や喫煙をされる方 
  • 家族や血縁者が脳卒中の診断を受けた。または、家族に生活習慣病の傾向がある方。 
  • 頭痛、めまい、舌のもつれ、手足や顔の痺れなど気になる症状がある方 
  • 頭部に衝撃を受けるようなスポーツをされている方 

このような方は、一度脳ドックを受診ください。

脳血管疾患は、一命を取り留めたとしても、半身不随や認知症などの障害が残る可能性のある、大変恐ろしい病気です。

しかし、初期に適切な処置をすれば、後遺症が残ることなく完治するケースもあります。

発症する前に、対策をとるようにしましょう。

特に40歳を過ぎたら脳ドック受診が推奨される

厚生労働省が公開した「令和2年(2020年)人口動態統計」(2021年9月/厚生労働省)によると、2020年の脳血管疾患による死亡者数は102,978人となっています。

死因割合としては、がん、心疾患に続き、3番目に多い死因として脳血管疾患が位置しており、その割合は7.5%となっています。

患者数は、30代では1万人ほど、40代で5万人ほどと増えています。

脳血管疾患のリスクは、年齢が下がるほど低いと言われています。

しかし、40代以降、特に40代後半からは、脳ドックの受診間隔を短くするよう意識することが大切です。 

厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei20/dl/11_h7.pdf

スマート脳ドックとは?一般的な脳ドックとの違い

脳の状態を詳細に調べる検査を、継続しやすい価格で受けられるのが、スマート脳ドックです。

以下を主要検査としていますが、撮影方法を最適化して、受診にかかる時間を短くしています。

  1. 頭部のMRI/MRA検査
  2. 頸部MRA検査

また、受付時の無駄を省くために、すべてをウェブサイト上で完結し、時間と費用をカットしています。

一般的な脳ドックと比べ、短い時間、安い費用で検査を受けることができるのが特徴です。

スマート脳ドックでは、前述のとおり、頭部MRI検査、頭部と頸部のMRA検査を実施します。

脳の血管が詰まる脳梗塞や脳内血管の破裂を引き起こす脳動脈瘤などの血管の異常や、脳腫瘍などの脳内異常個所を調べます。 

スマート脳ドックでわかる病気 

スマート脳ドックでは、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血など脳卒中の疾患や、脳腫瘍などの脳内の異常、また、頭部から頸部にかけての血管異常を発見することができます。 

スマート脳ドックでは認知症もわかる? 

スマート脳ドックでは、頭部MRI検査、頭部と頸部のMRA検査を実施します。

しかし、ここから得られるデータだけでは、認知症と診断することは適いません。

認知症診断には、他の指標が必要なため、専門的な検査と専門医による診断が必要となります。

しかし、スマート脳ドックで脳深部の大脳白質病変の有無を確認することは可能です。

この大脳白質病変が増加すると、認知機能の低下リスクが高まることが知られています。

大脳白質病変が認められた場合は、専門施設を受診しましょう。 

継続しやすい価格 

スマート脳ドックの検査費用は、各施設で均一です。

スマート脳ドック1回につき、17,500円(税込 19,250円)となっています。(一部出張診療所を除く) 

これは、毎年継続的に検査することができる価格設定として考慮されています。  

ただし、スマート脳ドックは、一般的な脳ドック同様に自費診療となります。 

保険は、病気治療に対して採用となりますので、スマート脳ドックは保険適用外となります。

なお、各自治体や組合で、頭部MRIや頸部MRAを補助金や助成金の対象としている場合があります。

所属されている保険組合やお住いの自治体へお問い合わせください。  

予約が簡単 

スマート脳ドックの予約業務は、すべてWebでの受付となります。

お手元のスマホやパソコンで、アクセスしやすい施設を選択します。

最短の場合、当日の検査から可能です。

検査自体が30分で終わるため、忙しい方のスキマ時間活用にもご検討いただけます。 

マイページで管理しやすい 

パソコンやスマホからの予約ばかりでなく、検査結果も確認できます。

継続検査の場合、過去の検査結果と比較できるため、現状把握に役立ちます。 

ご家族の予約も管理できる 

ご家族をマイページにファミリー登録すれば、検査予約や検査結果を一括で管理できます。

ご高齢者の予約代行や、検査結果書類の紛失防止に便利です。   

スマート脳ドックは忙しい現代人におすすめ 

今回はスマート脳ドックについて、一般的な脳ドックとの違いを踏まえてご紹介しました。

スマート脳ドックでは、通常の脳ドック同様に、脳の血管が詰まる脳梗塞や脳内血管の破裂を引き起こす脳動脈瘤などの血管の異常、脳腫瘍などの脳内異常について調べることができます。

通常の脳ドックとの違いは、 すべてをウェブサイトで完結し、時間と費用をカットしている点にあります。

毎年継続的に検査することができる価格設定となっており、問診などの必要事項をWebで入力しておけば、受付から検査を終えて帰るまで30分ほどの所要時間で済みます。

さらにスマホで最短の場合当日予約が可能であり、ネットで検査結果の管理を行うことも可能です。

スマート脳ドックは、忙しい現代人にとって、時間的にも金銭的にも、より手軽に受けられるおすすめの検査制度といえます。

脳の病気は、発症してから治療しても、手遅れになるケースが多いです。

脳細胞や神経細胞にダメージを受けてしまうと、麻痺や言語障害などの後遺症が残りかねないからです。

症状が出る前に発見し、早期治療に結び付けることが大切になります。

自分の体をリスクマネジメントするためにも、スマート脳ドックを上手に活用し、病気の早期発見・予防に努めましょう。

この記事を書いた人

脳梗塞・脳出血などの脳血管障害は、65歳以上が要介護の状態になる原因の1位(厚生労働省調べ)であり、脳卒中患者のQOL向上の一助となることを目指し、基礎知識・予防・リハビリ情報をお届けするWEBマガジンです。

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