脳梗塞の予防には運動が欠かせない?!健康に向けて運動習慣を身に付けよう!

食事や運動などの生活習慣の見直しによって、脳梗塞をはじめとする脳卒中を予防することができます。

「運動」というと、ジムで行うような激しいものをイメージされる方もいらっしゃるかもしれませんが、軽く汗をかくくらいのウォーキングで十分に効果を得られるとされています。

今回は、運動不足がもたらす脳梗塞のリスクを解説しながら、健康に向けて身につけたい運動習慣についてご紹介します。

目次

脳梗塞とは

脳に起こる血管の病気の総称を「脳卒中」と言いますが 、このうち発症の2/3は血管が詰まって起こる「脳梗塞」だと言われています。

脳梗塞には、以下の2つがあります。

①動脈硬化の進行により脳の血管が劣化して発症するもの

②心房細動という不整脈によって心臓にできた血栓(血液の固まり)が脳の血管を詰まらせることで起こるもの

血栓が脳の血管を詰まらせることを脳塞栓と言います。

心房細動の有無によって、脳梗塞のリスクが2〜7倍ほど高くなります。

健康診断などで心房細動を指摘された場合には、医療機関を受診して治療してください。

参考:
脳血管障害・脳卒中(e-ヘルスネット:厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-006.html

脳梗塞危険因子

脳梗塞の発症につながる危険因子は『高血圧や心房細動(不整脈)、肥満、糖尿病、喫煙など』です。

血圧が高かったり、血流が乱れていると血管に大きな負担がかかるようになり、血管の内壁が傷つきます。

そうすると、次第にダメージを負った血管が硬くなっていき、動脈硬化に発展することで脳梗塞を引き起こします。

他にも脳梗塞の危険因子として、メタボリックシンドロームが挙げられています。

座っている時間が長い程、脳梗塞のリスクが高まる

カナダのカルガリー大学の研究では、1日の中で座っている時間が長いほど脳梗塞のリスクが高くなることが明らかになりました。

デスクワークや余暇も室内で過ごすことが多い人は、必然的に「座った状態」または「横たわった状態」で過ごす時間が長くなります。

特に、近年コロナウイルスの影響で在宅ワークや自粛生活を送る人が増え、外出の機会が減ったことで、活動時間が少なくなってしまった人は多いのではないのでしょうか。

脳梗塞は高齢者だけの問題ではなく、若い人でも座位時間や、寝た状態で過ごす時間が長いと発症リスクが高まります。

具体的な研究結果としては『座りがちな時間が1日8時間以上の人は、4時間未満の人に比べて脳卒中のリスクが4.2倍高く』さらに『座りがちな時間が1日8時間以上の人は、4時間未満且つ身体活動レベルが高い人の7倍に脳卒中のリスクが上昇する』ことが判明しました。

さらに、脳卒中を発症した人のうち9割が脳梗塞だったそうです。

参考:
Got some free time? To avoid a stroke, younger adults shouldn’t spend it this way
(米国心臓学会 2021年8月19日)

Association Between Excess Leisure Sedentary Time and Risk of Stroke in Young Individuals
(Stroke 2021年8月19日)

生活習慣の改善から脳梗塞は予防できる

そもそも脳梗塞の原因の一つである動脈硬化は、減塩などの食生活や肥満の改善、運動習慣などによって予防することができます。

他にも危険因子として挙げられていた高血圧や心房細動(不整脈)、肥満、糖尿病、喫煙、メタボリックシンドロームも、生活習慣の見直しによって発症を防ぐことができます。

すでに持病としてこれらの疾患を抱えている人でも、かかりつけ医や専門医を受診し、適切な治療を受けることで脳梗塞を予防できるでしょう。

健康診断で体の状態を把握しよう

自分の身体の状態を把握しておくことは、脳梗塞をはじめとするさまざまな疾病を予防するのに有効です。

なるべく定期的に健康診断や人間ドックを受け、脳梗塞の危険因子となる高血圧や不正脈・糖尿病・肥満(メタボリックシンドローム)・喫煙・心房細動などの指摘がないか気にかけるようにしましょう。

日常生活で動悸や息苦しさ、胸の詰まり、疲れやすさなどを感じる場合、それらは心房細動の症状である可能性があります。

このような自覚症状がある場合は、速やかに医師に相談しましょう。

脳梗塞予防10ヶ条

自身の身体状態や生活習慣について「脳卒中予防の十か条」をもとに見直しましょう。

①手始めに 高血圧から 治しましょう
②糖尿病 放っておいたら 悔い残る
③不整脈 見つかり次第 すぐ受診
④予防には タバコを止める 意思を持て
⑤アルコール 控えめは薬 過ぎれば毒
⑥高すぎる コレステロールも 見逃すな
⑦お食事の 塩分・脂肪 控えめに
⑧体力に あった運動 続けよう
⑨万病の 引き金になる 太りすぎ
⑩脳卒中 起きたらすぐに 病院へ

引用:
脳卒中予防の十か条(日本脳卒中協会作成) 
http://www.jsa-web.org/citizen/85.html

週3日以上の運動習慣がもたらす効果

南オーストラリア大学健康科学部のミッシェル マクドネル博士による研究では「運動習慣が週に1回未満の運動不足の人」は週に何回か運動する習慣がある人に比べ、脳卒中の発症率が20%高いという結果になりました。

研究に参加した人のうち、運動不足の人たちは『肥満・肉食・野菜や果物の摂取が少ない、心臓病が多い』という共通点があり、そのほとんどが米国でも脳卒中発症率が高いとされる南東部の住民でした。

運動による効果として、内臓脂肪の燃焼や血糖値・中性脂肪の減少の他にHDLコレステロールという善玉コレステロールの働きを高めることが認められています。

男性は、週に4回、汗をかくような活発な運動をすることで脳梗塞のリスクが低下します。

女性の場合は、運動の濃度と脳卒中の発生率に相関はなく、ウォーキングのようなあまり激しく無い運動でも十分に脳梗塞の予防効果が得られることが分かっています。

気軽にはじめやすい運動習慣として、1日30分以上ウォーキングで体を動かすことを週5回以上行うことを推奨します。

もしくは早歩きでのウォーキングやジョギング、自転車漕ぎなどの中強度の運動を1回20分以上、週に3日行うだけでも予防効果を得ることができます。

参考:
Breaking a sweat while exercising regularly may help reduce stroke risk
(米国心臓学会 2013年7月18日)

定期的な運動習慣は脳梗塞を予防する

適度な運動習慣、特にウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は脳梗塞の危険因子である脂肪を燃焼する効果があり、他にも悪玉コレステロールの減少や血管の弾性力を高める働きがあります。

激しい運動でなくても『歩く』という日常的に行う動作でも十分な効果を得られます。

なるべく徒歩で移動したり、上下階の移動は階段を使うなど意識して体を動かす習慣を身につけましょう。

この記事を書いた人

脳梗塞・脳出血などの脳血管障害は、65歳以上が要介護の状態になる原因の1位(厚生労働省調べ)であり、脳卒中患者のQOL向上の一助となることを目指し、基礎知識・予防・リハビリ情報をお届けするWEBマガジンです。

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