【脳ドックを受けたほうがいい人の特徴】発症リスクが高まる5つの条件とは?

「脳ドックを受けた方がいいのか」「何歳くらいから受けた方がいいのか」、悩む方もいらっしゃると思います。

脳ドックの目的は、脳の病気の予防や早期発見であるため、どんな方でも30歳を過ぎれば、一度は受けられることをおすすめします。

ただし、脳の病気は、家族歴(遺伝)、加齢、生活習慣、持病などにより発症リスクが異なります。

そこで今回は「脳ドックを受けたほうがいい人はどんな人?」という疑問に対して、詳しく説明していきます。

目次

脳ドックを受けたほうがいい人の5つの特徴

下記のいずれかに当てはまる人は、特に脳ドックの受診をおすすめします。

  • 家族歴がある(遺伝)
  • 40代以上の方
  • 飲酒や喫煙量が多い
  • 脳の異変を指摘されたことがある
  • 脳の病気につながる持病がある

それぞれ詳しく説明します。

1.家族歴がある(遺伝)

脳の病気には、一部遺伝が関連しているものがあります。

まず、アテローム血栓性脳梗塞という病気は、遺伝子異常により発症しやすくなると言われています。

アテローム血栓性脳梗塞とは、脳の太い血管がふさがる脳梗塞のことです。

家族や親族にアテローム血栓性脳梗塞を発症した人がいる場合は、そうでない人に比べて発症しやすくなる可能性があります。

そのほか、もやもや病という脳の内頚動脈という血管で強い狭窄や閉塞を認める病気も、遺伝子異常が約15%ほど認められることがわかっています。

これらの病気は発症するまで自覚症状がないため、検査を受けて初めてわかるものです。

脳ドックでは、脳の血管の状態を詳しくみることができるため、定期的な受診が推奨されています。

遺伝子異常と脳血管疾患との関連 | 脳研コラム | 新潟大学脳研究所(脳研) (niigata-u.ac.jp)

2.年齢が40代以上の方

加齢と脳の病気の発症にも関連があります。

加齢とともに、脳全体や脳の血管が老化するためです。

さらに、脳の病気の原因となる高血圧、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病にかかる人も、歳を重ねるにつれ増える傾向にあります。

脳の病気のなかでも、脳梗塞、脳出血、一過性脳虚血発作(いっかせいのうきょけつほっさ)は、60歳以降に発症する人が多いことがわかっています。

これらの発症を防ぐために、40代以上の方は脳ドックを定期的に受けることが推奨されます。

日本脳卒中データバンク報告書2021年_FIX.pdf (ncvc.go.jp)

3.飲酒や喫煙量が多い

過度な飲酒(ビールでは2缶以上/日を毎日)は、脳の病気全体の発症率を約68%増加させ、そのなかでも脳出血やくも膜下出血を増加させることがわかっています。

喫煙は、本数に関わらず、男性で1.3倍、女性で2.0倍、脳卒中を発症しやすいことがわかっています。

飲酒や喫煙習慣を見直し、定期的に脳ドックを受けることが推奨されます。

脳卒中|病気について|循環器病について知る|患者の皆様へ|国立循環器病研究センター 病院(ncvc.go.jp)

男女別、喫煙と脳卒中病型別発症との関係について | 現在までの成果 | 多目的コホート研究 | 国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト (ncc.go.jp)

4.脳の異変を指摘されたことがある

脳の異変を指摘されたことがある人とは、これまで脳ドック以外で脳の検査をした際に、治療には至らない脳の異変があった人を指します。

その「脳の異変」とは、以下の6つが挙げられます。

①虚血性変化(きょけつせいへんか)

虚血性変化とは、脳の血の巡りが悪くなっていることです。

自覚症状がなくても、放置すると脳梗塞の発症につながることがあります。

②無症候性脳梗塞(むしょうこうせいのうこうそく)

無症候性脳梗塞とは、脳MRI検査上で脳梗塞が認められるにも関わらず、これまで自覚症状がなかったものを指します。

無症候性脳梗塞があると、再度脳梗塞を発症する危険性が高くなります。

③無症候性脳出血

無症候性脳出血とは、無症候性脳梗塞と同様、脳MRI検査上では脳出血が認められるにも関わらず、これまで自覚症状がなかったものを指します。

無症候性脳出血があると、将来、規模の大きい脳出血につながることがあります。

④未破裂脳動脈瘤(みはれつのうどうみゃくりゅう)

未破裂脳動脈瘤とは、破裂していない動脈瘤(血管のコブ)を指します。

動脈瘤が破裂すると、脳出血となります。

⑤脳動脈狭窄

脳動脈狭窄とは、脳の血管が狭くなっている状態を指します。

脳動脈が狭窄していると、将来、脳梗塞を発症する危険性が高くなります。

⑥脳の萎縮

脳の萎縮とは、脳MRI検査で脳全体のシワが深くなったり多くなっている状態を指します。

脳の萎縮は30代から生理的なものとして始まっていきますが、ある一定以上の萎縮があると、認知症につながることがあります。

これらの変化は、それ以上の変化や危険性がないか、定期的に確認する必要があります。

すべて脳MRI検査でわかるものですが、普段、自覚症状がない限りあまり受ける機会はありません。

そのため、自覚症状がないうちに、脳MRI検査が受けられる脳ドックが推奨されます。

脳ドック検査でわかること | トピックス | 野村病院 三鷹・武蔵野・吉祥寺・調布・人間ドック・介護 (nomura.or.jp)

5.脳の病気につながる持病がある

脳の病気は、脳自体が原因で起こることは少なく、脳に関連する体の異変が続いた結果、発症するものです。

脳の病気につながる持病には、以下のようなものが挙げられます。

①高血圧

高血圧とは、血圧測定で140㎜Hgかつ・または90㎜Hgの場合を指します。

高血圧は、脳梗塞や脳出血の最大の原因となります。

②メタボリックシンドローム 

メタボリックシンドロームとは、身体計測、血圧測定、採血検査によって、一定の基準を満たしている状態を指します。(基準は以下の表を参照)

メタボリックシンドロームは、動脈硬化を促進させ、脳動脈狭窄、さらには脳梗塞の原因となります。

メタボリックシンドロームの診断基準 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)

③心房細動(しんぼうさいどう)

心房細動とは、心臓の不整脈のひとつで、心臓内での血流が不規則になるものです。

心房細動では、心臓内で血液がよどみ血栓ができやすくなります。

その血栓が、脳への血流にのって脳の血管をふさぐと、脳梗塞を発症します。

これらの持病がある場合は、持病の治療を徹底するとともに、脳へ影響がないかの確認のため、定期的な脳ドックが推奨されます。

脳梗塞の主な原因 動脈硬化と心房細動の症状・予防・治療法について | NHK健康チャンネル

脳の病気を発症するリスクが高い人は定期的に脳ドックを受診しよう

今回は「どんな人が特に脳ドックを受けた方がいいのか」について説明しました。

まずは、自分が脳の病気を発症しやすい状態かを知ることが大切です。

発症リスクの高い方は特に脳ドックを定期的に受け、脳の病気の予防や早期発見を目指していきましょう。

この記事を書いた人

脳梗塞・脳出血などの脳血管障害は、65歳以上が要介護の状態になる原因の1位(厚生労働省調べ)であり、脳卒中患者のQOL向上の一助となることを目指し、基礎知識・予防・リハビリ情報をお届けするWEBマガジンです。

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