by脳梗塞MZ編集部
高齢で脳梗塞に!余命は?
脳梗塞の正確な発症率は不明な点も多いのですが、大まかには人口10万人あたり100~200人、40歳以上では10万人あたり600人前後と推定されています。
このデータからも分かるとおり、脳梗塞は高齢で発症しやすい病気です。高齢で脳梗塞になってしまった場合、その余命はどのようになるのでしょうか?
今日は、年齢と脳梗塞の関係、その予後について解説していきます。
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脳梗塞になりやすい年齢がある?
脳梗塞になりやすい年齢、それは高齢の方がなりやすいです。
脳梗塞は脳の血管が細くなったり、血液のかたまりによって血管が詰まったりしてしまうことで起きる病気です。血管が原因であるため、「脳血管障害」と分類されます。
脳の血管に異常がでる大きな原因は、動脈硬化です。動脈硬化は悪玉コレステロールがよく挙げられますが、それに加えて高脂血症、高血圧、糖尿病といった因子があると起こりやすくなります。
このような因子があり、年齢を経ると動脈硬化が進行し血管の異常が起きやすくなります。50代60代70代と年齢を重ねる毎に発症しやすくなるのです。
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20代でも起こるのか
一方、若い年齢でも脳梗塞を発症することがあります。
45歳以下の世代に起こる脳梗塞は「若年性脳梗塞」と呼ばれ、芸能人の方などが発症したこともあり注目される機会が多くなっています。
若年性脳梗塞は、動脈硬化以外の様々な原因で引き起こされます。血液に対する自己抗体ができ血液が固まりやすくなる抗リン脂質抗体症候群や、脳血管の病気の一種であるもやもや病などです。
これらの要因を持っている方の場合、若年の内には幸い発症しなくても、中高年になり動脈硬化による影響が合わさって発症してくる場合もあります。若年性脳梗塞の原因となるような病気には、しばしば脳梗塞の前段階ともいえるような前兆がみられることがあります。
こういった疾患があるという知識をもち、前兆の症状に気をつけることで早期発見や予防に役立てるようにしましょう。
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脳梗塞の予後、死亡率は?
脳梗塞でどれくらいの方が亡くなってしまうのか、それを捉えるのに5年生存率という指標があります。脳梗塞を発症してから5年後にどれくらいの方が生存しているのか、そのパーセンテージを計算したものです。
2010年に発表された、栃木県での調査によると脳梗塞の5年生存率(脳梗塞以外の死因で亡くなった方も含む)は62.8%でした。
年齢別の数値も示されており、それによると5年生存率は65歳未満で86.3%、65-74歳で71.3%、75歳以上で46.1%となっています。高齢であればあるほど5年後の生存率は低く、65歳未満と75歳以上では倍近い開きがあることが分かります。
脳梗塞の後に亡くなってしまった方を詳しく調べてみると、脳梗塞自体が死因になる方は50%未満で、むしろ心臓や肺の病気で亡くなってしまう方が多いとされています。
脳梗塞にかかったことで生活の機能が下がり、それによる障害(誤嚥性肺炎など)が起きるケースや、そもそも脳梗塞になるほど血管のダメージが蓄積している場合には心臓等に異常を来してしまうというケースが想定されます。
若い方では脳梗塞になっても5年後に生存しているケースが多いため、脳梗塞自体が致命的な疾患とは言えないかもしれませんが、それに伴う他の疾患に注意が必要ということになります。
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脳梗塞でも後遺症なく復活することがある?
脳梗塞になっても軽い後遺症のみですむ場合もあります。有名人の方で若くして脳梗塞になっても、第一線でなおご活躍の方もいらっしゃいます。
脳梗塞の程度には状況により大きな幅があります。脳のごく一部のみが障害を受けるようなケースでは、症状がほぼ出ないこともあります。脳ドックなどでMRIを撮ったら偶然に古い脳梗塞が発見されるケース(ラクナ梗塞といいます)もあります。
一方発症直後は半身麻痺や構音障害など重い症状が出てしまった方でも、その後の経過によりほぼ無症状まで回復するケースもあります。発症して6ヵ月程度までは症状が軽快しうることが分かっており、リハビリテーションを行うことでより回復が大きくなることが期待されています。
これはダメージを受けた神経の周囲にある組織が新たな神経回路を作り、その機能を代償することによると考えられており、神経や脳の可塑性といいます。
脳の可塑性を最大限に引き出すための治療がリハビリテーションであり、再生医療がターゲットとするのもこの領域です。
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まとめ
脳梗塞は高齢であるほど発症頻度が高くなり、余命は短くなります。ただし発症の原因は若い年齢の頃から徐々に進んでいくものです。高齢になったら気をつける、ではなく早いうちから体の変化に気をつけて対策していくことが重要です。
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