近年では、片麻痺による日々の不便さを改善することができる、さまざまなアイデアグッズが開発されています。
片麻痺に対してのリハビリや周囲の方のサポートも大切ですが、便利グッズを賢く取り入れることで、日常生活を快適に過ごすことができる可能性もあります。
今回は、片麻痺の方におすすめの便利グッズと、便利グッズの選び方を紹介します。
片麻痺のリハビリと便利グッズについて
片麻痺に対してのリハビリは、①急性期リハビリテーション、②回復期リハビリテーション、③維持(生活期)リハビリテーションの3つの段階があります。
①急性期リハビリテーション
急性期リハビリテーションは、治療の合併症を最低限にするために入院直後から開始するリハビリです。
②回復期リハビリテーション
回復期リハビリテーションは在宅復帰を目指すことを目標に行われるリハビリです。
自宅に帰ってからも日常生活で困らないようにするための動作改善などが実施されます。
③維持(生活期)リハビリテーション
維持(生活期)リハビリテーションは、自宅の生活をイメージしながら取り組むリハビリであり、実際に自宅で生活を送りながら行うリハビリです。
入院中にどれだけ具体的に自宅の生活をイメージしたとしても、実際に生活してみると、②の段階では見えなかった細かな困りごとがでてきます。
そのようなときに、便利グッズの使用を検討してみるのがおすすめです。
便利グッズの取り入れ方のポイント
片麻痺での生活の不便さを取り除く一番の方法は、麻痺を改善させることです。
そのためには、食事・活動・休息のバランスが大切であり、何よりも根気強いリハビリが重要です。
日々の小さな困りごとを一つ一つクリアしていくことが、良いリハビリとなります。
しかし、課題ばかりの日々では、生活に必要な動作のすべてに苦しさを感じ、QOL(生活の質)が下がってしまいます。
そこで活躍するのが、便利グッズです。
便利グッズを使用することで、生活のしづらさが緩和され、目の前の課題のレベルも少しだけ下げることができます。
小さなことであっても、自分で出来るようになったという自信や満足感が、前向きにリハビリに取り組むきっかけにもなります。
食事関連の便利グッズ
食事のしやすさ・準備・後片付けの便利さをチェックしましょう。
便利グッズは、メーカーによって工夫している部分が異なります。
例えば、滑りにくいスプーンが欲しいのか、握りやすいスプーンが欲しいのかなど、自分のニーズに合った商品を選ぶことが大切です。
また、滑り止めマットはとても便利ですが、食器の位置を移動させるときに、滑らないことが逆にストレスとなる可能性があります。
普段使用しているテーブルや食器の大きさ、どのくらいの滑り止めが欲しいのか、麻痺の状況が改善しつつあるのかなど、さまざまな条件を加味して検討するのが良いでしょう。
・曲げれるユニバーサルスプーン
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・くるくるグリップ
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移動補助ができる便利グッズ
杖は、リハビリスタッフや福祉用具の専門スタッフと相談し、自分に合ったものを選びましょう。
杖の先についているゴムチップは消耗品です。
すり減ってきたらゴムの交換を行ってください。
移動時の補助具として、杖や取っ手以外にも、手すりやスロープも販売されています。
麻痺の程度にも寄りますが、安定性があり、安全に使える商品を選びましょう。
・ヒューゴステッキ
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・吸盤式手すり
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トイレのサポートができる便利グッズ
トイレのとき、意外に使いにくいものがトイレットペーパーです。
こちらは、ティッシュのように一枚ずつ取り出せるため、片手でも使いやすい仕様となっています。
他にも、片手でカットしやすいトイレットペーパーホルダーなども販売されています。
・片手でらくらくトイレットペーパー
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入浴関連の便利グッズ
入浴時は転倒リスクが高まりますが、羞恥心から介助されることに抵抗を感じることもあるでしょう。
以下のような工夫をすることで、ある程度ひとりで入浴動作を行うことが可能です。
・座りながら着替えられるように、脱衣所に椅子を置く
・柄の長いブラシや長めのタオルで洗身する
安全にリラックスして入浴できるよう、便利グッズを選んでください。
・すべり止めマット
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衣服の便利グッズ
衣服は、肌着や女性用の下着も含めて、前開きのものが使用しやすいです。
介護用の服はデザインに限りがありますが、前開きの物であれば、一般の服でも容易に着ることができます。
リハビリが進んだら、被り物の服や、ゴムでなくベルトのズボンなど、リハビリの難易度を上げていくことがおすすめです。
・ワンタッチ肌着
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・ソックスエイド
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家事全般の便利グッズ
日常生活を送るにあたって、避けて通れないのが家事です。
料理や洗濯にも便利グッズが登場しています。
また、片麻痺では一度に多くの物を持ち運ぶことが困難なため、キャスターがついたワゴンなどがあると家事がはかどるでしょう。
料理が負担になるようであれば、配食サービスなどの利用もおすすめです。
・瓶オープナー
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その他の便利グッズ
その他さまざまな便利グッズが販売されています。
どれもアイデア満載のものばかりですので、ぜひチェックしてみて下さい。
ピルケース
サポートする方にも本人自身にも、毎食後に薬を選び、シートから取り出すのは負担が大きい作業です。
1週間分まとめて準備しておけば、毎食後に準備する手間が省けます。
飲み忘れの防止にもなるのでおすすめです。
・ワンタッチ コンパクト薬ケース
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・薬ケース 1週間分
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爪切り
爪切りは見落としがちなアイテムです。
麻痺側で爪切りを扱うのは難しいため、大きくて、少ない力で切れるものを選びましょう。
まとめ
生活の不便さを解消してくれる便利グッズはたくさんあります。
気になるものが見つかったでしょうか?
車いすの購入や自宅に手すりを設置するなどは費用面でハードルが高いという方は、介護保険を十分に活用出来ているかも見直してみましょう。
条件に当てはまれば、介護保険で車いすのレンタルや自宅の改修が行えます。
自宅へ戻ったときにすぐに利用できるよう、入院中に手続きをしておくことがおすすめです。
便利グッズを選ぶときには、自分のニーズに合った便利なものかどうかに加え、安全に長期間使えるかどうかを確認すると良いでしょう。
安全・快適に満足できる生活が送れるように、便利グッズを取り入れてみてはいかがでしょうか?
便利グッズは制作元によって工夫している部分が異なるため、きっと使いやすい物が見つかるはずです。