脳梗塞後のリハビリは保険適用になる?さまざまな保険とその他の制度

脳梗塞を発症すると、機能低下防止・回復・維持のため、多くの方がリハビリを必要とします。

長期に渡りリハビリが続く場合、それが保険適用になるのか実費になるのか、費用面が気になるところです。

今回は、脳梗塞後のリハビリにおける各種保険適用やその他の制度について説明します。

目次

入院中のリハビリは公的医療保険の適用になる 

脳梗塞を発症後、約2週間までを「急性期」と呼び、約2週間〜3ヶ月を「回復期」と呼びます。

この間に行われるリハビリは、機能の回復を目的としたものになり、公的医療保険が適用されます。

ここで注意したいのが、脳梗塞で公的医療保険が適用となるリハビリは、発症から最大180日までと期限があることです。

近年の脳梗塞の平均在院日数(入院している日数)は78. 2日となっています。

そのため、180日を越えてしまう心配は不要と言ってよいでしょう。

参考:
厚生労働省 傷病者分類 退院患者の平均在院日数等 03.pdf

退院後のリハビリは「要介護認定」を受けたうえで介護保険の適用になる

脳梗塞を発症し、退院してからの時期を「生活期」あるいは「維持期」と呼びます。

この間に行われるリハビリは、機能の低下防止や機能維持を目的としたものになり、要介護認定がおりると介護保険の適用となります。

介護保険が適用されると、医療保険のようなリハビリ日数の制限はなく「いつまでリハビリができるのか」と心配する必要がありません。

これは大きなメリットと言えます。

ここで、介護保険でリハビリを受けるために必要な要介護認定について説明します。

要介護認定を受ける方法と流れ

要介護認定を受けるためには、65歳以上の方と40〜64歳の方で対象の条件が異なりますが、申請〜認定までの流れは同じです。

①お住まいの区または市町村担当窓口に介護認定の申請を行う

②区または市町村から認定調査員が派遣され、本人や家族に、日常生活や認知機能などの聞き取りを行う

③区または市町村が、本人の主治医に、主治医意見書の作成を依頼する

④区または市町村に設置される介護認定審査会の審査の結果をもとに、市町村が要介護認定を行う

介護認定の対象となるのは、65歳以上の方であれば、かかっている病気の指定はありません。

区または市町村の聞き取りや、主治医意見書をもとに、認定の可否が決定されます。

40〜64歳の方の場合、介護認定の対象となるのは、16の「特定疾病」という決められた病気により、介護が必要になった方です。

この特定疾病の中に「脳血管疾患」がありますので、脳梗塞の場合は介護認定の申請を行うことができます。

介護認定がおりると、介護度「要支援1.2」「要介護1〜5」の7段階のうち、いずれかに区分されます。

要支援」のほうが「要介護」よりも介護度が低く、数字が小さいほど介護度が低くなります。

介護度が決定すると、介護支援専門員(ケアマネージャー)が本人や家族と相談のもと、利用するサービス計画を立てます。

この中に訪問リハビリや通所リハビリがあり、介護保険を利用のもと、リハビリが行えるということになります。

参考:
保健師国家試験のためのレビューブック2021 メディックメディア

民間医療保険に入っている場合は給付がおりる可能性がある

民間の医療保険に加入している場合「三大疾病」に対する給付があるものであれば、申請のもと保険金が支払われます。

支払われるタイミングは、その保険商品によって診断時や入院時、退院時などさまざまです。

使い道は自由なため、リハビリの費用にあてることができます。

ただし、民間の医療保険は掛け金により給付金額が変わることや、支払い限度日数があることから、民間の医療保険のみでリハビリの費用をまかなうのは難しいかもしれません。

保険適用にならない場合は「訓練等給付」というサービスがある

公的医療保険と違って、介護保険には審査があります。

要介護認定とは「何らかの介護が必要な状態」と認められたときに介護度が決まるものです。

つまり、リハビリが必要な状態であっても、日常生活が自立していれば要介護状態であると認定されず、介護保険を適用したリハビリが受けられません。

民間医療保険にも加入していなければ、リハビリ費用が実費になってしまい、負担が大きくなってしまいます。

そんなときに利用できる可能性があるのが、障害者総合支援法における「訓練等給付」です。

訓練等給付とは?サービスを受けるまでの流れ

訓練等給付とは、国が定めた法律(障害者総合支援法)により、区または市町村が、身体・知的・精神(発達)障害者に対して提供するサービスのひとつです。

脳梗塞の場合、後遺症として「高次機能障害」があると、訓練等給付の申請が行える可能性が高いです。

高次機能障害とは、気が散って集中できない、忘れやすい、怒りやすくなる等の症状を指します。

訓練等給付の申請〜認定については、以下のとおりです。

①お住まいの区または市町村担当窓口にサービス利用申請を行う

②区または市町村に障害者支援区分認定を受ける

③区または市町村から、日常生活、社会活動などの聞き取り調査を受ける

④区または市町村、サービス提供事業者、申請者や本人で個別支援計画を立てる

⑤区または市町村が審査会から意見を聴取する

⑥区または市町村がサービス支給を決定する

⑦申請者や本人がサービス提供事業者と契約をかわす

このようにして、リハビリをはじめとしたサービスを受けることができます。

費用の自己負担は、介護保険と同様1割になります。

参考:
保健師国家試験のためのレビューブック2021 メディックメディア
福祉サービスについて知りたい | 国立障害者リハビリテーションセンター (rehab.go.jp)

脳梗塞後のリハビリは保険適用で行える場合とその他の制度で行える場合がある

脳梗塞後のリハビリにおいて、入院中は発症から最大180日まで公的医療保険が適用になります。

退院後については、要介護認定がおりれば、介護保険が適用になります。

要介護認定が通らない場合は、後遺症の種類によっては、障害者総合支援法にもとづく訓練等給付でリハビリを受けられる可能性があります。

さらに、民間の医療保険に加入しており、条件に該当すれば、保険金が給付されリハビリの費用に充当することができます。

脳梗塞後のリハビリは、今ある機能を維持させ、また機能の低下を防ぐために必要なものですが、実費では継続が難しくなります。

保険の種類や制度を知り、うまく活用して、リハビリを継続していけるようにしましょう。

この記事を書いた人

脳梗塞・脳出血などの脳血管障害は、65歳以上が要介護の状態になる原因の1位(厚生労働省調べ)であり、脳卒中患者のQOL向上の一助となることを目指し、基礎知識・予防・リハビリ情報をお届けするWEBマガジンです。

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