脳梗塞のリハビリ費用は?医療保険・介護保険・自費のリハビリ費用を解説します

脳梗塞発症後はリハビリが必須となりますが、リハビリにはお金がかかります。

リハビリの必要性を理解していても「リハビリの費用がどのくらいかかるのか心配」という方も多いでしょう。

リハビリには、保険適応のリハビリ自費のリハビリがあり、金額も大きく異なります。

また、公的制度を活用すれば、リハビリにかかる費用を抑えることができます。

今回は「脳梗塞のリハビリにかかる費用と公的制度」について、具体的な金額を提示しながら解説します。

目次

脳梗塞のリハビリにかかる費用は3パターンある

脳梗塞のリハビリにかかる費用は、主に以下の3パターンがあり、それによって金額も異なります。

①医療保険のリハビリ
②介護保険のリハビリ
③自費のリハビリ

順を追って説明します。

脳梗塞のリハビリ費用【医療保険】

まずは医療保険適用の場合にかかるリハビリ費用から説明します。

脳卒中の平均在院日数である77. 4日間でリハビリ費用を計算すると、保険適応なしで1,137,780円〜1,706,670円の費用がかかります。

これはリハビリだけの費用であり、他にもベッド代、薬代など、追加で費用がかかります。

医療保険は日本国民すべての方が加入している保険であり、入院中のリハビリは医療保険が適応されます。

医療保険は所得によって1割負担、2割負担、3割負担と、区分によって支払う額が異なります。

脳梗塞のリハビリにかかる費用の詳細

リハビリにかかる費用は、厚生労働省が定めた診療点数によって決まっており、病院の規模(従事しているスタッフの数)によって異なります。

病院の規模によって、3種類の診療点数があります。

①リハビリテーション(Ⅰ)245点/単位
②リハビリテーション(Ⅱ)200点/単位
③リハビリテーション(Ⅲ)100点/単位

診療点数は、1点を10円に換算して計算します。

リハビリテーション(Ⅰ)が最も充実したリハビリを提供できますが、その分保険点数が高くなります。

リハビリの時間は単位で表現され「1単位=20分」とされています。

リハビリ時間が増えると「2単位=40分」「3単位=60分」となります。

回復期病院では、1日6〜9単位(120〜180分)のリハビリを行います。

以下に各病院の規模による、1日あたりのリハビリの費用をまとめました。

①リハビリテーション(Ⅰ)

2時間リハビリをした場合
14,700円(245点×6単位=1,470点)

3時間リハビリをした場合
22,050円(245点×9単位=2,205点)

②リハビリテーション(Ⅱ)

2時間リハビリをした場合
12,000円(200点×6単位=1,200点)

3時間リハビリをした場合
18,000円(200点×9単位=1,800点)

③リハビリテーション(Ⅲ)

2時間リハビリをした場合
6,000円(100点×6単位=600点)

3時間リハビリをした場合
9,000円(100点×9単位=900点)

リハビリテーション(Ⅰ)の病院だと、1ヶ月(30日)にかかる費用は、441,000円〜661,500円になります。

脳卒中の平均在院日数である77.4日間で費用を計算すると、1,137,780円〜1,706,670円かかります。

病院の規模・リハビリの単位数によって費用は異なりますが、いずれにしても多額の費用がかかります。

高額療養費制度でリハビリの費用は抑えられる

高額療養費制度とは、1ヶ月(月の1日~末日)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合「一定金額を越えた額」が後から払い戻される制度です。

その「一定金額」は、年齢所得によって異なります。

一般的には、約8万円程度が上限となっており、それ以上の費用は払い戻されます。

ただし、病院で提供される食事は高額療養費制度の対象外のため注意しましょう。

上限額は年齢や所得によって異なるため、ご自身の上限額については以下の厚生労働省のサイトからご確認ください。

確認先:
厚生労働省  高額療養費制度を利用されるみなさまへ
https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf

参考:
令和4年度診療報酬改定の概要 個別改定事項Ⅲ
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000911811.pdf

脳梗塞のリハビリ費用【介護保険】

次に、介護保険適用の場合にかかるリハビリ費用について説明します。

介護保険適用の場合、リハビリ費用は、身体の状態とサービスを受ける時間・頻度、事業所の規模によって金額が大きく異なります。

医療保険と同様、所得によって1割負担、2割負担、3割負担があります。

介護保険は「自宅で生活しながら受けられるサービス」であり、適用条件としては「65歳以上で介護認定を受け、介護サービスが必要だと判断された場合」に利用できるサービスです。

介護認定は身体と認知機能の状態により、要支援1〜2、要介護1〜5の7区分に分けられます。

区分により受けられるサービスの上限が決まっており、ケアマネジャーという在宅サービスのコーディネーターがプランを組みます。

介護サービスでは、以下のようなサービスを受けることができます。

・通所リハビリに通う
・看護師やリハビリスタッフの自宅訪問による病状観察とリハビリ
・ヘルパーによる身の回りの世話

今回は「①通常規模型(利用者が750人以内)②大規模型(利用者が751人以上)の通所リハビリにて、要介護1〜5の方が1〜2時間サービスを受けた際の金額」を以下の表にまとめました。

要介護1〜5の右側()内は、各要介護区分の身体の状態を簡潔に表現しています。

①要介護1(立ち上がりや歩行の際に部分的な介護が必要な方)

・通常規模型:3,290円
・大規模型:3,160円

②要介護2(要介護1よりも身の周りの介護が必要な方)

・通常規模型:3,580円
・大規模型:3,460円

③要介護3(自力での歩行は難しく全面的な介護が必要な方)

・通常規模型:3,880円
・大規模型:3,730円

④要介護4(寝たきりの状態で意思疎通がはかれる方)

・通常規模型:4,170円
・大規模型:4,020円

⑤要介護5(寝たきりの状態で意思疎通が困難な方)

・通常規模型:4,480円
・大規模型:4,300円

通所リハビリでは、1〜2時間だけでなく、2〜3時間、3〜4時間、4〜6時間、6〜8時間のサービス提供時間があります。

サービス提供内容により加算があり、その場合は費用負担も増えます。

自宅での介護サービスが必要」という方は、サービス内容や費用について病院のスタッフに相談しましょう。

介護認定は、お住まいの市区町村にある包括支援センターから申し込みができます。

参考:
厚生労働省 通所リハビリテーション
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000168706.pdf

脳梗塞のリハビリ費用【自費】

最後に、自費でのリハビリ費用について説明します。

自費での負担額は、施設や事業所の定めた金額によって異なります。

保険適応ではないため全額負担となり、費用は多額になります。

以下のような方に需要があります。

・保険で定められた時間だけでなくもっとリハビリをしたい
・ここの施設のリハビリを自費でも良いから受けたい

金銭的に余裕があり、リハビリに対する意欲が高い方に向けたサービスとなっています。

脳梗塞のリハビリ費用を知り備えよう

今回は、以下のリハビリ費用について説明しました。

①医療保険
②介護保険
③自費による脳梗塞

脳梗塞のリハビリにかかる費用を知っておくことで、事前に準備ができ、安心して対応することができます。

脳梗塞のリハビリは、医療保険を適用したとしてもそれなりに費用がかかります。

高額療養費制度を活用することで払い戻しを受けられますので、忘れずに申請手続きを行いましょう。

また、退院後は介護サービスを活用して、通所リハビリ施設などを利用することもできます。

脳梗塞のリハビリは、継続的に行うことが非常に重要なポイントです。

リハビリにかかる費用を理解することで、お金とリハビリのバランスを考えながら「自分にとって最適なリハビリ方法が何か」を考えることができます。

身体機能の低下を予防し、回復を図るために、制度やサービスを上手に活用しながら、リハビリを自分に合ったやり方で継続しましょう。

この記事を書いた人

脳梗塞・脳出血などの脳血管障害は、65歳以上が要介護の状態になる原因の1位(厚生労働省調べ)であり、脳卒中患者のQOL向上の一助となることを目指し、基礎知識・予防・リハビリ情報をお届けするWEBマガジンです。

目次